キバナサフランモドキ | 野の花賛歌

野の花賛歌

 沖縄で見ることの出来る 南方系の植物を中心に 野生の草花や花木

 帰化植物、時には沖縄に集中する米軍基地などについて 


ヒガンバナ科の中にRain lilyと呼ばれる一群がある。
雨が降ってしばらくすると一斉に咲き出すので、Rain lily と称されるようになった。


台風18号が雨をもたらすと一斉に咲いた。
21号の時も咲いた。
23号の時もまた咲いた。

同じ区域の一群だ。
雨が降るたびに咲く、どれほどのスタミナがあるのだろう?

ゼフィランサス(タマスダレと)属の

サフランモドキ・コサフランモドキ・キバナサフランモドキ・タマスダレがそうだ。




キバナサフランモドキ


キバナサフランモドキ
Zephyranthes citrina

ヒガンバナ科 南アメリカ原産



20数年前コサフランモドキと前後して導入され、花壇の縁取りや
車道分離帯で植栽されていたのが逃げだし、
最近になって野生化した物が見られるようになった。

キバナサフランモドキの名は沖縄の植物研究家・池原直樹氏によって付された。
池原氏によると、タマスダレと同じタマスダレ属なのだからキバナタマスダレの方が
当を得ているという。

しかし、キバナタマスダレの名はすでに、
同じヒガンバナ科で地中海沿岸地方を原産地とする

Sternbergia lutea の和名として命名されているので、

キバナサフランモドキとせざるを得なかったという。




台風23号通過後に咲いた





台風18号通過後のキバナサフランモドキ
まだ花数は少ない。




台風21号通過後のキバナサフランモドキ




コサフランモドキ花色は桃赤色~赤色


コサフランモドキ
Zephyranthes rosea

グァテマラ、キューバ、西インド諸島原産


キバナサフランモドキとほぼ同じ時期に導入され、県内各地で野生化した物が見られる。

草姿はキバナサフランモドキによく似るがやや小型。




赤の強いタイプ




縁取りとして植栽されたコサフランモドキ







サフランモドキは
Zephyranthes carinata
西インド諸島原産の多年草。


Rain lilyの中で最も大きな花を咲かせる。
日本には江戸時代中期に観賞用に持ち込まれたが昨今は、
人家周辺などで広く野生化している。





キバナサフランモドキとサフランモドキ





台風23号通過後キバナサフランモドキとサフランモドキ




痩せ地でも良く育つ


タマスダレ
Zephyranthes candida



南米原産の多年草で明治初期に園芸用に導入された。

時に野生化した物を見るが、上記3種に比べると少ない。

 


タマスダレとサフランモドキ



最近では、キバナサフランモドキやコサフランモドキに圧され見ることも少なくなった。



タマスダレの仲間は葉と鱗茎部分にアルカロイド成分リコリンを含み有毒。
  
食すると、嘔吐、痙攣などの症状が出ます