ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!! -2ページ目

ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

【イタリア映画祭2024】

 

「僕はキャプテン」

 

(4作目)

を観てきました。

 

ストーリーは、

セネガルに住むセイドゥとムッサ。二人は従弟同士でまだ10代だが、音楽で成功して裕福になるという夢を叶えるためダカールを離れ、ヨーロッパを目指す。

偽のパスポートを手に入れマリを通過しようとするが、偽物とバレてしまい警察に賄賂を渡しニジェールへ。そこからは金を払ってリビアまでガイドと共に徒歩で砂漠横断をする。過酷な砂漠移動で亡くなる人も出てくるがそれでもリビアまでは止まれない。



 

リビアに入国するも反政府勢力に襲撃され、金を持っていたムサはマフィアが運営する刑務所に連行される。セイドゥは何も出来ず他の仲間と砂漠を越えていく。砂漠を越えたところでやはりマフィアにつかまり刑務所へ送られる。

刑務所で脅迫され親族に連絡して身代金を用意させろと言われるがセイドゥに出来る訳が無い。元々、このガイドツアーはこの為の罠だったのだ。拒否をすると拷問部屋に連れていかれ連日拷問されることに。瀕死の状態のセイドゥはレンガ職人に助けられ、彼の仕事を手伝うことでこの刑務所から抜け出せた。

レンガ職人として働き、良い仕事をした報酬として自由とトリポリまでの交通費を手に入れたセイドゥ。トリポリに着くとすぐにムッサを探し始め、建設現場で働きながら探し続ける。すると足を撃たれたムッサを発見する。刑務所から逃げてきたらしい。彼の足の具合が悪く、病院へ連れていかなければ命に係わると言われ、ムッサの命を救うために船でイタリアへ向かうことにするのだが。

後は、映画を観てくださいね。


 

セネガルからヨーロッパを目指す青年のお話でした。過酷な旅路を経験することにより、本当の大人に成長していく彼の姿を描いています。これが現実なんだろうと思うんです。

 

不法移民は可哀そうな人々で助けてあげなくちゃという方々がいますが、実際は、ただお金を稼ぎたいだけの軽い気持ちで自分の国を出て、色々な場所で騙され、命を落とすかもしれない危険をくぐって、ヨーロッパに着けるのは半分以下なんでしょうね。

 

セイドゥとムッサは、セネガルにいても十分幸せな生活をしているんです。これは貧困ではないと思いますよ。自分の国で真面目に勉強をして技術を身に着ければ、ヨーロッパへ行くよりも裕福になれたかもしれない。それなのにヨーロッパに行ってそれこそ一旗揚げたいという感じで出ていくんです。

 

 

偽パスポートを手に入れてヨーロッパまで行こうとするのですが、そんな簡単に行くわけがありません。それに現金を持っていれば取られるに決まっています。この”クソガキ”たち、何やってんだよとイライラしました。まだまだ子供で知識が無いので、何でも簡単に上手く行くと思っているのでしょうね。

 

思うのですが、ネットの普及で子供でも世界情勢が見れるようになりました。なのでネットに映っている世界に行けば、自分もあっという間に金持ちになれると思っちゃうんでしょうね。社会がどのように回っていて、本当はどこにお金があるのかも知らず、ただ表面だけが真実だと子供は思ってしまう。危険だと思いました。

 

大人からしたら良いカモだし、子供を集めて人身売買も簡単に出来る。はっきり言ってこのリビア近辺では良い商売なのでしょう。私ももしリビアに住んでいたら、この商売は儲かるだろうなと思いました。だって売れる商品があっちからやってきてくれるんですから。新宿のトー横だって同じでしょ。良いカモが勝手に集まってきてくれるんだから。そりゃ集めて商売をする人も出てくるよね。

 

 

音楽でお金を儲けたいと言ってたけど、本当に才能がある一握りだけで、後は企業の売り方で売れてるんです。お金を儲けたいなら、カモにされるのではなくカモにする人間にならないとね。セネガルから出てくるなら悪人になるつもりで出てこなくちゃ。善良な人間は儲けられません。

 

こういう現実を突きつけて、アフリカ地域の人々に自国で生活する術を身に着けるような教育をしていくべきです。こんな簡単に国を出て不法移民として居着かれたのではヨーロッパもたまったもんじゃないでしょ。迷惑極まりないと思いました。

 

マッテオ・ガローネ監督はアフリカから安易にヨーロッパに移住しようとする人々に警鐘を鳴らしたかったのではないかと思いました。今現在、ヨーロッパは移民政策の失敗で大混乱に陥っています。戦争などで自国に居られなくなった人々ではなく、ただ単に出稼ぎに来たかった人々ばかりがヨーロッパに移住してしまい、本来の自国民が犯罪の犠牲になるようなことが起こっているんです。

 

 

そうなれば、どの国も不法移民は送り返すという政策を取らざるを得なくなり、どんなに移民としてヨーロッパに渡ってきても、すぐに追い返されることになります。簡単にヨーロッパで稼ごうなんて出てきても、途中で苦しめられ、運よくヨーロッパに来ても送り返されるだけということを教えれば、もう少しヨーロッパも落ち着くのではないでしょうか。

 

日本もヨーロッパの二の舞になりかねません。既に一定の地域では不法移民が居座り、犯罪を繰り返しています。そういう場合は断固として取り締まり、不法移民だった場合には送り返すという処置を直ぐにしなければいけませんし、日本からの送金も制限したりするべきなんです。でないと、いつまでも好き勝手をして、捕まっても不起訴になり、日本人が犯罪に巻き込まれて不幸になるばかりになってしまいます。この映画で描かれているように、安易にやってくる外国人には毅然とした態度で接するべきです。

 

良い映画だと思いました。これからの移民問題を考えるべき時に来ていると言われているような気持ちになりました。こんな風に安易に出てきてしまうんです。日本も気を付けましょう。

 

 

私はこの映画、お薦めしたいと思います。移民として来る人間が、政治的に命の危機に晒されたのではなく、ただ出稼ぎだということをしっかり描いているし、ここまでしつこくやって来るのだと教えてくれています。出来れば最後には送り返されたりするところまで描いて欲しかったな。このままでは”やったもん勝ち”的になってしまうので、それは止めて欲しかった。それにしても、良い映画でした。日本公開は決まっていませんが、もし観れる機会があったら、ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「僕はキャプテン」