最終回で悪が勝ち正義が破れるドラマ 平将門『風と雲と虹と』を追加 | 映画 ネタバレ・あらすじ・結末 最終回まで~ドラマもね

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最終回で悪が勝ち正義が破れるドラマ

※2017年10月23日にUPした記事を補足して再UPしました。

先にご紹介した海神-ヘシン-のように、正義を求め懸命に生きる主人公に共感して応援しながら見守って来たのに、
結局は、正義が破れて悪が勝つというドラマや映画を、
人は残念な気持ちを込めて、バッドエンドやサッドエンドと呼ぶ。

悲劇的な終わり方に不満を洩らす人も少なくない。
だが、それなら、必ずしも勧善懲悪のストーリーだけが、持て囃されるべき素晴らしい作品と言えるかと言えば、
それは違うと私は思う。
だって、常に悪人には天罰が下り正義が人の世を照らし続けるだなんていう現実とは違い過ぎる様を、
娯楽作品で眺め続けていて空しくはないのか?


日本人は、とりわけ、勧善懲悪の作品を好むと感じる。
それも二昔ほど前の日本人は「水戸黄門」や「桃太郎侍」などのパターン化した勧善懲悪時代劇を好んだ。
現実がどうあれ、そんな辛くて恨めしい現実はエンタメから排除して、
理想的な美しい世界だけを見せてくれれば良いというシンプルな感受性なのかもしれない。

 また、現実社会の中で、富裕層や腐敗した権力者に、いいようにあしらわれながら生きている社会的弱者からすれば、
なんぼ真面目で健気に生きたところで、悪に一矢報いる事がなかなか叶わないのだから、
せめて娯楽作品の中でくらいはそうあって欲しいという気持ちもわからなくはない。

だけど…腐敗して醜いものを、嘘と綺麗ごとで覆い隠し、蓋をしがちなのもまた、
現実社会である事を思えば、
そんな酷い世情に、懸命に立ち向かって行くものの、
結局は奴らの卑劣さにしてやられ、破れ去って行く無念な正義の様を、
シビアにエンタメ作品の中に反映させてこそ、
正義を求めて生きた者に光をあてる事が叶うのだ。

そうしてこそ、現実とリンクしている創作物によって
「こんな世の中は間違っていませんか?」というメッセージを世に送り出せるのだろう。

そういった意味で、私はバッドエンドやサッドエンドの作品を否定はしない。


前置きが長くなったが、そういうわけで、この記事では、最終回で悪が勝ち正義が破れるドラマをいくつかご紹介しておこうと思う。

まずは冒頭で触れた海神-ヘシン-
この作品の主人公、チャン・ボコという人物は、遠い昔に、世の中から身分による差別をなくそうと、
権力社会と戦った本当に立派な人である。
古代アジアのリンカーンと言っても過言ではないかもしれない。
しかし、権力者側の暗殺という卑劣な手段で歴史の中に散って行った。

二つ目は、やはり最近、少し記事の中で触れた事のある「私を離さないで」
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このドラマでは、「アイランド」という映画と同じくクローンに対する酷い扱いが描かれている。

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どちらの作品も、富裕層と思われる人間らが、臓器を提供させる目的で、クローンを誕生させて養育しているという内容である。
前者の「私を離さないで」は、やけに、あっさりと運命を受け入れるのだが、後者の「アイランド」は全力で運命に立ち向かって行く。
だから同じ境遇のクローンを描きながら、重苦しいバッドエンドなのは「私を離さないで」の方だけだ。

作者がこの作品について語っている内容を聞いてみると、
「私を離さないで」は、何が善で何が悪なのかを追及する事は、ちょっと横へどけておいて、
どこにも出口のない悲劇的な状況の中で、人はどのようにして自分の運命を受け入れて行くだろうか?
そんな状況に置かれた場合、人は、その限られた人生をどのように生きるだろうか?
という心理的な葛藤とその結果を真剣に考えて書いてみたらしい。


韓国のドラマには、比較的に、正義が破れ悪が勝つというものが多い。
特に、歴史ドラマなどは、史実どおりに描くとそうなってしまうものが多々あり、
有名な歴史的人物の話であれば、視聴者は、正義が破れ悪が勝つのを承知の上で、悲しい結末よりも、
なぜ?どうして、そんな結末に至ったのかを興味を持って視聴するのだ。
私が最近視たところでは、
トンイの孫にあたりイ・サンの父である思悼世子(サドセジャ)が父である英祖に米櫃に閉じ込められて処刑されるまでを描いた「秘密の扉」がこれにあたる。



さて、韓国ドラマの現代ものの中でも、とりわけ人気の高い復讐ものの中からは、こちらをご紹介しよう。


ドラマ『赤と黒』ネタバレごめん!~ストーリー概要と後味の悪い最終回(結末)


日本歴史ドラマよりは平将門の生涯を描いた『風と雲と虹と』を追加したい。
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平将門は、9世紀終わりから10世紀初め(平安時代中期)に生きた関東の豪族である。
平清盛よりも200年以上前の人物であるが、同じ平姓であっても、清盛は討ち取った敵方の子孫である。
しかしながら討ち取ったのは将門の従兄にあたる平貞盛なので、遠い親戚筋ではある。

この時代は、国の中心は天皇家であり、それぞれの地方の豪族らが自らの所領を収めてお上である京の皇室へ国元での農産物などの上がりを収めるという中央集権国家が築かれていた。
将門は当時、坂東と呼ばれる関東地方の下総国佐倉(現千葉県佐倉市)に領地を持つ豪族、平良将の子として生まれたとされる。
(実際の勢力範囲は同国の豊田・猿島両郡であったと考えられている。)
叔父にあたる平国香(平貞盛の父)とやはり叔父である良兼らが、
将門の父(国香の弟)の死後、その領地をかすめ取ってしまい将門からの抗議を誤魔化しながら、返すまいとしていた。
そんな折り、良兼の娘である良子と将門が恋仲であったにも関わらず、良兼の後妻である源護の一の姫、詮子(せんこ)の強い押しで、
良子は無理やり詮子の弟である源扶の元へ嫁がされる事となる。
その婚礼の前夜、将門は良子を奪い、豊田へと連れ帰る。
そこから、叔父たちと結託した婚家である源護家らと将門の対立が生まれ、やがて詮子の扇動を受け戦へと発展する。

常に領民の事を考え戦を避けようした将門に対して、自身の欲や恨みを優先する叔父たちや源家の面々との度重なる戦で、連敗する相手方は多くの領地を失う。
片や将門は、常に民人を気遣いながら農閑期などを選んで戦を行い、民人からは深く慕われ、その名声を日本中に轟かせてゆくのであった。

しかし…最後には将門は、幼馴染ではあったが、いつも調子が良くて女好きで時に卑怯な平貞盛らの軍に討たれてしまう。
また該当作品があれば、この記事の中で随時、追加、更新します。


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