映画『セブン』の罰は必ずしも死ではない(ネタバレ含む) | 映画 ネタバレ・あらすじ・結末 最終回まで~ドラマもね

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映画『セブン』の罰は必ずしも死ではない(ネタバレ含む)

この映画で起こる連続猟奇殺人事件のベースとなっているのが7つの大罪。
7つの大罪とは、キリスト教(カトリック教会の方)に古くから示される罪の教義で、6世紀後半にグレゴリウス1世が8つを7つに整理しなおして完成させた。
その7つとは「暴食」「強欲」「怠惰」「色欲」「傲慢」「憤怒」「嫉妬」である。

犯人は、この7つの大罪に偏執して、それらを犯した人間に制裁を与えるべく猟奇的な事件を起こして行き、その連続猟奇事件に立ち向かうのが、サマセットと新しく赴任して来たミルズの二人の刑事。そしてこの事件は偶然にも老刑事サマセットの退職を控えた1週間前の月曜を発端として始まる。…ていうのが、この映画『セブン』のストーリーの骨格である。

ミステリーではあるが、犯人捜しが鍵になるミステリーではない。
上に挙げた通りの7つの大罪に固執し、それらの罪人を神に代わり罰するというイカれた犯罪理念(犯人が自分を犯罪者と考えているか否かは定かではない。)どうりに事件を起こす異常さが、どう決着するのか?
2人の刑事らは果たして、この異常犯罪者を捕える事が出来るのか?
という所を客観視していくミステリーだと思われる。

ところが、この映画、7つの罪を犯したとされるそれぞれの罪人は、必ずしも殺されてはいないのだ。「怠惰」の罪人とされる人間は無残な姿に変貌させられはしたがまだ生きていたし、
最後の「憤怒」の罪人とされる者に至っては、無傷のままで映画は終わってしまう。
こういった点については、7つの大罪の罰は必ずしも死ではなく、死よりも辛い他の何かでも有り得ると考えれば納得は出来る。
だが、もう1つの矛盾点、
何の罪も犯していないミルズ刑事の嫁とお腹の子供を、自分自身が「嫉妬」の罪人となるために殺してしまう犯人の言い分は、そう考えてそう実行した時点で破綻している。
いくらもっともらしい殺人(あるいは殺人以上の酷い犯罪)の理由を唱えたところで、
所詮はご都合主義の愉快犯でしかない姿を露呈してしまっている犯人。
こいつは最後、自分が勝負に買ったつもりで死んでいくが、それは犯人の勘違いだと思う。
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