映画『さくらん』概要と感想
映画『さくらん』 概要
2007年2月公開。蜷川実花が、安野モヨコの同名漫画を映画化。
江戸時代の吉原遊郭に8歳で売られてきた粗野な少女が、
やがて成長して遊女となり、
辛酸を嘗めつつも花魁(おいらん)となって花魁道中を務めるまでに出世する様を描く。
映画『さくらん』 感想
この作品、主役が土屋アンナなんだけど、そもそもハーフ顔の遊女なんて、おそらく有り得ない。
子供時代は、日本人の子役が演じて、
成長するとハーフ顔ってとこで、更に作り物感が増している。
奇を衒った極採色の映像は、
遊郭の女や、そこに咲く男たちの色情を色に例えたのか?
リアリティよりも、観念世界を表現してみました~みたいなとこなんだろうか?
「さくらん」のさくは、桜が咲く・夢が咲く・この世界で咲くなどの一連の咲いている状況を指しているのかと思われる。
らんは、金魚のらんちゅう?
ちなみに原作の安野モヨコの同名漫画も見てみたが、こちらは、それなりに地味な色使いで、
極採色ではありんせんでした。
本当の遊女の現実というのはもっと悲壮感のあるものだと通常の歴史では伝わっているし、
他の遊郭を扱った作品では、やはり、そうした遊女の不幸な生涯に光を当てて描かれる事が多いようだが、
この作品では、主人公のあっけらかんとした性格を反映したためか、悲壮感は極力省いて作られているように感じた。
写真家が監督した映画作品なので、通常の映画に求めるような面白みや感動ではなく、
アート的な美しさを観賞する気で視るべきものかな。