映画 マザー! ネタバレ・あらすじ・感想 | 映画 ネタバレ・あらすじ・結末 最終回まで~ドラマもね

映画 ネタバレ・あらすじ・結末 最終回まで~ドラマもね

映画のネタバレ・あらすじ・キャストを最終回までや日本、韓国、中国、米国の映画・ドラマから面白いものを選んでネタバレ・あらすじ・感想を書いています。 

洋画のご紹介です。

映画 マザー! ネタバレ・あらすじ・感想

映画 マザー!  概要

2017年公開のアメリカ映画。
監督: ダーレン・アロノフスキー
ジャンル:サイコスリラー

製作費3000万ドルがつぎ込まれたが、全米公開後の初週末の興収はわずか750万ドルと不振で、日本公開は中止された。

神様の天地創造を、とある夫婦の結婚生活になぞらえている。
ローレンス演じる“マザー”は“母なる地球”。
片や夫役のバルデム演じる“彼”は“神”。
本作が映し出しているのは、気候変動と環境破壊における人類の功罪だとダーレン・アロノフスキー監督は語った。

そして、アロノフスキー監督は「何の予備知識もなく見てほしい」と言ったそうだが、日本人が本当に予備知識なく、この映画を観ても、
何が何やらさっぱりわからないだろう。

映画 マザー!  ネタバレ・あらすじ

古いけれども大きな屋敷の一室。
窓から朝の光が差し込み、ベットの上で眠っていた若い妻が目を覚まし、振り向いて言った。
「あなた、いる?」

著名な詩人の夫(ハビエル・バルデム)と、若く美しく従順な妻(ジェニファー・ローレンス)
親子ほども年齢の離れた二人が結婚した経緯は語られない。

だが、ともかくも、夫がスランプで、なかなか新しい詩が書けないと嘆くのを、若い妻は健気に励まし支えた。
そして彼女は家事以外に、火災で丸焼けになったという家の修復に励む事を日課として、夫を愛し、心穏やかな家庭生活を送っていた。
ただ…なんとな~く、家のあちこちに蔓延る不気味な感じがあるという気掛かりがあるものの…。

しかし、そんな二人の生活は、ある日、一人の男(仮にアダムとする。)が家を訪問した時から、徐々に見知らぬ他人から掻き乱されて混乱し始めるのであった。

訪問者であるアダムは最初「民宿と間違えて、この家を訪ねた。」と言ったが、それは嘘であった事が後から発覚する。
本当は、詩人である夫の熱烈なファンで、夫に会いたくて、訪ねて来たのだった。
その夜、アダムは体調を崩した。
彼は大きな病を患っているらしく余命いくばくもないのだそうだ。
翌日には、呼び寄せられて、彼の妻(仮にイブとする。)もやって来る。
イブは不作法で礼儀知らずな人で、勝手に夫の部屋へ入ると、
夫が「火事の時に焼け残った唯一の宝物。」と言って、大切にしていたクリスタルの宝石を落として粉々に砕いてしまう。
 その事で夫は激怒し、二人を追い出そうとするが、二人はひつこく居座り、数日後には、彼らの二人の息子達までもが、家にやって来て、あろう事か、まだ生きているアダムの前で遺産相続争いの喧嘩を始めて、弟が兄を殺害して逃亡する。

自宅で、よその家の者が争い人が殺されたというだけでもショックで、今度こそ、もう出て行って欲しいと、妻は訴えるが、何故か夫は、それを上の空で聞き流し、
亡くなった兄及びアダム&イブ夫婦に同情的で、
葬儀をこの家で執り行う事を勝手に決めてしまう。

そして翌日には葬儀に出席するとの事で、アダム&イブ家の親類縁者や友人が次から次に、訪ねて来て、たちまち家の中は大勢の人々で埋め尽くされてしまい、その誰もが我が物顔で横暴に振る舞う。
妻が唖然としている間に、勝手に人々は飲み食いや乱痴気騒ぎを始めて、中には、夫婦の寝室で事に及ぼうとしているカップルまで出て来る始末。

いくら注意しても聞かない来訪者たちに疲れ果てた妻であったが、そんな喧騒の日々の中で、イブが意地悪く、二人の間にまだ子供がいない事をなじってきた。
妻自身も、子供が欲しいと願っていたので、ある夜に夫を誘い、めでたく懐妊する。

それから、10か月後、妻が臨月を迎えた頃、あの奇妙なアダム&イブファミリーから刺激を受けたという夫が無事に新作の詩集の出版を果たしていた。
ところが、この詩集が出版されると、瞬くうちにそれが評判となり、詩集に感銘を受けた人々が次から次に家を訪ねて来て、再び、まるで信者のような熱狂的な人々で家の中はごったがえして収拾がつかない。
そのうち軍隊までもが乗り込んでくると、人々に向けて銃を乱射し始めて、人々は逃げ惑い、妻もまた命の危険を感じて逃げたいのだが、家の中の何処へ行っても人がすし詰め状態で、うまく逃げられずに家の一角で追い詰められて倒れ込んでしまう。
そんなパニック状態の時に、妻は産気付いてしまい、夫の助けで、やっとの事で男の子を出産するが、産んで数時間もしないうちに、夫が、赤ちゃんを連れて行き、誇らしそうに、人々に「息子を授かった。」と掲げて見せている。

妻が「子供を返して!」と泣き叫び追い縋ろうとした時、歓声を上げて興奮する人々が、夫の手から赤ちゃんをさらい「あっ!」と言う間もなく姿が消える。
妻が子を探し求めて駆け寄ると、
人々は大勢で寄ってたかって赤ん坊の体を引き千切り、その肉をガツガツと手掴みで貪り食べていた。
その悪魔のような所業に、妻は激しく怒り狂い、
ガラスの破片を手に取ると、人々を突き差しに行くが、多勢に無勢ゆえに非力で逆にボコボコにされて「この売春婦!」「アバズレが!」と罵られるのだった。

最早、耐え切れなくなった妻は、オイルが備蓄されている地下室へ行き火を放つ。
激しい爆発音と共に家は炎上。
すべては焼き払われて、黒焦げになった妻の元へ夫が駆け寄り抱き起す。

息絶え絶えに妻は夫に尋ねる。
「あなたは一体誰?」
夫は「私は私だ。」と答えた。

「もう疲れたの。このまま死なせて。」と言う妻に、夫は
「最後に1つだけ僕にくれないか?君の愛を。」と言うと
妻は「あげるわ。私の愛を。」と、それを承諾した。
すると、夫は死にかけている妻のお腹に、手を突っ込んでモゾモゾし何か内蔵のような物を取り出す。

夫がその焼け焦げたような臓器を手でこそげ落とすと中から、あの以前も大切にしていたクリスタルの宝石が現れて、彼はとても満足気に微笑むのだった。

夫が、そのクリスタルを飾ると、焼け落ちた家は再び、瞬く間に元通りに再現される。
すべてはリセットされたのだろうか?

映画は、再び冒頭の朝のシーンを繰り返す。
朝、ベットの上で目覚めた妻が振り返る。
「あなた、いる?」

ただ~し!この時の妻は冒頭の妻と良く似ているが微妙に違う別人なのだ。
写真を貼っておこう。

映画 マザー!  感想

駄作か名作かで評価が二分される映画らしい。

西洋圏には、聖書を題材として作られた物語が時々あり、作中で、その事に触れられていない限り、クリスチャンでもない日本人で理解出来る人は数少ないだろう。
私もクリスチャンではないので何が何だかわからなかった口。
後から解説サイトを読んでから「はは~ん、そういう事か~」と、やっと理解出来たのだけど、
前半は旧約聖書からの引用で、最初に訪ねて来た男がアダムで、彼の妻がイブ。その二人の息子がカインとアベルとの事。
その予備知識なくして、この映画を観たら、この家を訪ねて来る人のほぼすべてが厚かましくて暴力的で非常識であり、
そんな人々に翻弄される夫と妻の状況が何を表しているのか全然わからなかったが、そうだと知れば、
人間の愚かさと暴力性や、やりたい放題に自然環境を壊していく図太さを皮肉っているのだなという事がよくわかった。

後、ほら、神様のマイペースぶりもね、確かに、その通りだと思うけど、最終的には地球が耐え切れずに爆発!
それと同時に人類も滅亡って事ですよ。

恐いのは、新たに作り直した家で目覚める新しい妻が別人だって事です。
これ、もう地球じゃなくて、地球によく似た、別の星って意味なんでしょうね。
意味深だけれども、哲学的で難解だから、
一般的なエンタメ系の映画のように、
楽しんだり感心したり感動したりする以前に、首を捻っているうちに終わってしまう映画でした。