映画 ドニー・ダーコ ネタバレ・あらすじ・感想 | 映画 ネタバレ・あらすじ・結末 最終回まで~ドラマもね

映画 ネタバレ・あらすじ・結末 最終回まで~ドラマもね

映画のネタバレ・あらすじ・キャストを最終回までや日本、韓国、中国、米国の映画・ドラマから面白いものを選んでネタバレ・あらすじ・感想を書いています。 

洋画のご紹介です。

映画 ドニー・ダーコ ネタバレ・あらすじ・感想

映画 ドニー・ダーコ 概要

2001年公開のアメリカ映画。
監督・制作: リチャード・ケリー
主演:ジェイク・ジレンホール
ジャンル:スピリチュアル

映画 ドニー・ダーコ ネタバレ・あらすじ



マサチューセッツ州ミドルセックスの閑静な住宅地。
この一角に住む17歳のドニー・ダーコは、姉のエリザベスと妹に挟まれた3人兄弟の真ん中。
自分の事をどこにでもいる極普通の高校生だと思っていた。
ただ少しばかり精神が不安定な事を除いては。
親が勧めるので、ずっとセラピストの治療を受けているが、特に効果はない。

夜中、自分を呼ぶ声に導かれて外へと夢遊病者のように出て行くドニ―。
外で彼を待っていたのは黒光りする奇妙なウサギ。
ウサギと言っても直立していたが、それは「6時間と42分と12秒…それが世界の最終までの残り時間だ。」と不気味な予言を告げた。
その直後、大きな揺れが家を直撃した。
1988年10月2日の事である。


翌朝、ドニ―は近所のゴルフ場で目を覚ました。
近所のおじさんに起こされてドニ―が目覚めてみると左腕の内側に奇妙な数字が書かれてあった。
「28064212」
手にはサインペンを持っていたので、自分で書いた可能性もあったが、その記憶はない。
それからドニ―が帰宅すると、家の前にはパトカーが止まっていて、大変な人だかりになっている。
ジェット機のエンジンが、真上からドニ―の部屋を直撃したとの事で、家が破壊されたのだ。
家族も全員、外へ出ていた。
FAA(連邦航空局)からも人が訪ねて来て、何やら、親と内密な話をしている。
この件に関しての調査が終わるまで、家には戻れないとの事で、FAAが家族のためにホテルの部屋を用意してくれた。

その夜、ドニ―の両親はホテルの部屋で、高校の卒業前に死んだ旧友のフランキーの話をした。
父は「死ぬ運命だったんだ。ドニ―もそうかも。」と言った。


ドニ―のクラスで、若い女性教師カレン・ポメロイが、グレアム・グリーンの反社会的な小説を教材にしての授業中、転校生の女の子が現れ、ドニ―の隣に座る。
その日、父が車でドニ―を学校まで迎えに来てくれた。
帰りの車中で、父は、家の屋根の修理に1週間かかる事や、
FAAの人からジェット機エンジンに関する秘密厳守の契約書にサインを求められた事を話す。
ドニ―は、落下したエンジンに関して何も知らない両親が、秘密厳守を求められている矛盾を笑った。
その直後、前の道に近所のボケた老婆が立ちはだかっていて、慌てて急ブレーキを掛けて車を停車させた。
老婆は「ロバータ・スパロウ」と名前のある郵便受けを開けて中を覗いていた。
何かの郵便物を毎日、待っているようだった。
ドニ―が車から降りて「きっと明日だよ。」と慰めの言葉を掛けると、老婆はドニ―の耳元に口を寄せて「生き物はみな孤独に死ぬ。」と呟いて去った。

学校で怪しげな啓蒙ビデオを見せるファーマーという石頭の女教師がいる。
その夜、またしても夜寝ていると、あの奇妙なウサギに起こされた。
ウサギに指示されて、ドニ―はオノで学校の水道管を壊して、
次の日は水浸しで学校は休校になった。
その日、ドニ―は転校生の女の子と親しくなった。
彼女は、グレッチェン・ロスと名乗り、
父親が精神障害で危害を加えられる可能性があるので、
母と共にこの街へ逃げて来たのだと話した。
グレッチェン・ロスはドニ―の事が気に入って、2人は交際を始める。


学校では、水道管を破壊した犯人が問題となりPTA総会が開かれる。
この時、国語の時間に、子供たちが人の家を破壊する内容のグレアム・グリーンの小説を教えているのが悪いと、ファーマーが問題にした。
ファーマーは啓蒙ビデオに影響された極端な考え方を授業に取り入れて、
人間の行動を「恐怖」と「愛」の二つに振り分けさせる授業を行った。
この時ドニ―が反論したが、ファーマーがそれに怒って「0点にするわよ!」と脅したので、
ドニ―は嫌気が差してファーマーに暴言を浴びせた。
そのために両親が学校へと呼び出される。
母は「ドニ―は、あのエンジンの落下事故以来、変わってしまったので…」と話して釈明しようとしたが、ファーマーに「道を踏み外させないように。」と一方的に注意されてしまった。
ファーマーは、自らの娘やドニ―の妹のサマンサもメンバーであるダンスチームの指導にも、
母親と教師という両方の立場から力を入れていた。
だからドニ―の母親とは、教師と保護者という間柄だけでなく、
同じダンスチームを応援する保護者同士という間柄でもあった。
それゆえ、その関係性を考慮し、これでも精一杯、言葉を選んで対応したつもりであった。


さて、それから暫く後、
ドニ―は、物理学の教師、ケネス・モニトフに、タイムトラベルの可能性について尋ねる。
物理学の教師らしくケネス・モニトフは、ホーキング博士の言葉を引用して、宇宙と外宇宙の間に空いた穴を通って人間が時空を行き来する事が、すなわちタイムトラベルだと話した。
そして、昔、この学校にいた元教師が書いたという「タイムトラベルの哲学」という本を貸してくれた。
著者の名前はロバータ・スパロウ。
あの、廃人のようになってしまっている老婆だった。

この本の事、著者があの老婆であった事をドニ―は家族にも話したがセラピストにも話した。
そして更にセラピストには「きっとウサギのフランクが、タイムトラベルに興味のあった僕を、あの人に引き合わせたんだ。」とも言った。


ファーマーが狂信して生徒たちにも押し付けていた自己啓発運動の指導者ジム・カニンガムの著書の宣伝を兼ねた啓蒙パーティにて、
ドニ―は、ジム・カニンガムに悪態を付き、つまみ出される。
この時、ジムを「偽キリスト」と呼んで、本人と主催した学校側をすっかり怒らせたが、
生徒たちからは拍手が巻き起こった。

しかし、まだまだ、ペテン師野郎が崇められている事に納得がゆかなかったドニ―は、密かにジムの家に忍び込んで放火する。
それは、ジムが毎年、司会をしていた「タレントパーティ」という生徒らの隠し芸大会の最中の出来事だった。

その火事で消防署が出動した結果、ジムが世間に伏せてきた悪事が露見してしまう。
上辺では高潔な人物を装いながら、誰の目も届かない自宅の地下室で小児ポルノの制作に関わっていたという事だ。
時期を同じくして、カレン・ポメロイは校長からクビを言い渡される。


「タレントパーティ」でも勇姿を見せていたサマンサのダンスチームが、
ロサンゼルスで行われる今年度のタレントキャラバンに参加する事になった。
ファーマーはこの朗報に大喜びするが、
その直後、ジムの逮捕を新聞で知った彼女は一転して真っ青になる。
その後ファーマーは、ドニ―の家を訪ねて来て、母親のローズに「何者かに陥れられて無実なのに冤罪で捕まったジムの釈放運動の先頭に立つから。」と告げた。
そして、そのために、ダンスチームのロスまでの引率を代わってくれるようにと
頼んできた。
他の母親にも打診してみたが、全員、他に予定があって無理だと言うのだった。
ローズも断ろうとしたが、ファーマーがヒステリックに声を裏返してまで「子供たちのビックチャンスをそんな態度で潰してしまっていいの?!」と食い下がるので、
仕方なく引き受ける。
とは言え、未だ精神的に不安定なドニ―の事が心配でならない母は「何かあればサーマン先生に連絡してね。」とドニ―に言い残して出発する。


母が飛行機で立った日、ドニ―は老婆ロバータ・スパロウへ手紙を出した。
この日、1988年10月26日。
黒ウサギのフランクから告げられた運命の日まで、後4日に迫っていた。


女教師、カレン・ポメロイは学校を去る前に何故か、黒板に「地下室の扉」という言葉を書き残して行った。


セラピストの催眠療法を受けている時に、水道管の破壊と、ジムの家の放火が自分の仕業であった事をセラピストに話してしまうドニ―。
「フランクの指示であり、エンジンに潰されるのを救ってくれた恩人だし、それに従わないと孤独になる。孤独になってはすべてが分らずじまいになる。」と話した。
「後、数日で彼らが来る。」と言うドニ―。
セラピストには彼らとは誰の事なのかわからない。
更にドニ―は「タイムマシンを作る。」と奇妙な事を言った。
そして「時間切れだから、すぐに発つ。」と告げると泣いた。
「何が起こるの?」と精神科医が尋ねると「フランクが殺す。」と答えるドニ―。
だが彼女は「誰を殺すの?」という問いの答えを得る事は出来なかった。
その時、ドニ―の目の前にフランクが現れていたからだ。

「タイムトラベルのための空が開く。」というドニ―に、
この世に法則がある事が、そのような事が起こらないし、世界の終わりなど来ない証しになるから心配はないとセラピストは慰める。
セラピストが手を叩き、この日の催眠療法は終わる。


1988年10月29日。
フランクが告げた運命の日まで後1日。
ドニ―が家へ帰ると、姉がハーバード大学に合格した事を告げて嬉しそうにしていた。
ドニ―は「ちょうどハロウィンとも重なるし、パーティをやろう。」と提案した。
ささやかにやるつもりが、結構大人数で騒がしいパーティとなった。

その頃、セラピストのサーマンは、ドニ―の様子があまりにも尋常ではなかったので、母親に連絡を取ろうとしていたが、不在のため連絡はつかない。

やがてパーティに、彼女のグレッチェン・ロスが来たが、家に何者かが襲撃した痕跡があったと言って、とても気落ちしていた。
警察には通報済みだと言う。
ドニ―がグレッチェン・ロスと絡み合っている時に、母から電話が入っていた。
今夜の便で帰り、空港に着くのは明朝の8時半だと留守電へと吹き込む母。

午前0時を回り、日付が代り、1988年10月30日となった。
世界が終わるまで(?)後6時間。
ドニ―は、とても不穏な感じが身体の内側から湧き上って来るのを感じた。
すると、胸の真ん中あたりから、透明なエクトプラズムのようなものがグニューと出て来て何処かへ伸びて行く。
誰も彼もの胸からエクトプラズムのようなものが出てきているのがドニ―にはハッキリと見えた。
この時「地下室の扉」という言葉がドニ―の頭の中で響く。
ドニ―はグレッチェンと、いつもつるんでいる2人の友達に声をかけて
「時間がない!」と叫び、ロバータ・スパロウの元へと行くのだと言う。
事情がわからないまま3人は自転車に乗って、ドニ―と一緒に夜の道を走り、ロバータ・スパロウの家を目指した。
男友達2人は家の前で待ち、ドニ―とグレッチェンがロバータ・スパロウの家の納屋に入ると、待ち伏せしていた2人の不良に襲われて羽交い絞めにされて外へと引っ張り出される。
あわやドニ―は不良の内の1人に喉を切られそうになるが、そこへ一台の車がやってきたので不良らは逃げ去った。
だが駆けつけた車は、グレッチェンが夜道に横たえられたままになっているのに気付かずにひき殺してしまう。
駆けつけたのはピエロの扮装をしたクラスメイトともう一人、黒いウサギの扮装をしたフランクというクラスメイトだった。
ドニ―は混乱してピストルでフランクを撃ち殺す。
そしてピエロのクラスメイトの方は「家へ帰れ!」と命じて帰らせた。
見覚えのあるあの黒光のウサギは、この時のハロウィンの仮装だったのだと初めて知るドニ―。
この最悪の出来事を解消するために、彼は過去へと戻り、死ぬ事を決意する。

グレッチェンの遺体を車の助手席に乗せると、奇妙に出現した空の裂け目に向かってドニ―は車を走らせた。
28日と6時間と42分と12秒。
それが、あの日、ドニ―の腕に書かれていた世界の終わりまでの残り時間を示す
「28064212」だったのだ。

空の裂け目を見つめながらドニ―は呟く「帰ろう…家へ。」
タイムトラベルには光速より早く動く乗り物は必要ではあるが、もし、それが可能であるのならば乗り物は旅客機だっていい。
その頃、母と妹の乗った旅客機は悪天候のために墜落の危機を迎えていた。
どういう加減なのかわからないが、その旅客機は本体だけが、この日の、このタイミングで落ちて、エンジンだけが過去に飛ばされてドニ―の寝室に落ちたのだ。

けれど、もしドニ―が、あの時に死んでいて、
水道管を壊したり、ジムの家に放火したりしなければ、母だって飛行機に乗る事はなかったのだから死なずに済む。
グレッチェンだって、あんな場所で襲われてひき殺されたりはしていない。
それ故にドニ―はタイムトラベルをして過去に戻り、あの時、あのまま自分の部屋で寝ていて死ぬ事を選んだ。
その気持ちだけで「地下室の扉」を開けたわけでもないのに、
カウントがゼロになった時、時間は巻き戻り始めた。

そして、日付は、あのエンジン落下事故の前日まで巻き戻り、ドニ―は眠っている間に予定通りに、あっけなく死んだ。


映画 ドニー・ダーコ 感想


雄大で明るく美しい自然の朝から始まるこの映画が、このように暗いトーンのうちに結末を迎えるとは誰も想像が出来ないだろう。
「たまたま助かってラッキー♪」という物語の始まりがラストに近づくにつれて、まるでグラデーションのように明るい雰囲気から、どんよりと淀んだ暗い雰囲気へと変化してゆく。

この映画では、ドニ―の死を「世界の終わり」と表現しているので、
終わりの方まで見続けて初めてそれが、世界の終末を指しているのではなく、ごく個人的な世界(この世)の終わりだったと気付く。

タイムトラベルに関しては、ずいぶんな大風呂敷を広げたが、何ら科学的な伏線の回収には至らず、
また、ドニ―が過去へ戻った事にも整合性はまるで見い出せない。
「地下室の扉」とか、ロバータ・スパロウがドニ―の耳元で囁いていた「人は孤独のうちに死ぬ。」だとか
「父の旧友のフランキー」とか、
ダニーの白昼夢の関係など謎めいた数々の言葉は、それらの関連性も、なぜ作中で語られたのかも解き明かされる事はなく
“あれは結局なんだったのだろう?”と腑に落ちない事だらけのまま終わってしまった。

それらをいちいち、自己流の見解で解説している個人ブログもあるようだが、そこんとこはやっぱり、映画を作ったご本人に続編で解説してもらいたいところ。