映画 ラグタイム ネタバレと概要 | 映画 ネタバレ・あらすじ・結末 最終回まで~ドラマもね

映画 ネタバレ・あらすじ・結末 最終回まで~ドラマもね

映画のネタバレ・あらすじ・キャストを最終回までや日本、韓国、中国、米国の映画・ドラマから面白いものを選んでネタバレ・あらすじ・感想を書いています。 

洋画のご紹介です。

映画 ラグタイム ネタバレと概要

映画 ラグタイム 概要

1981年公開のアメリカ映画。
監督:ミロシュ・フォアマン
(2時間36分)

1900年代初頭のアメリカの群像劇である。

映画 ラグタイム ネタバレ

マディソン・スクエアのタワーに裸像が立つことになり、
この像の設計者、スタンフォード・ホワイト(ノーマン・メイラー)の家では、華やかなパーティが開かれていた。
そこへ若い男ハリー・K・ソウ(ロバート・ジョイ)が仲間を連れてどなりこんで来た。

像のモデルは、元コーラス・ガールで、今はハリーの妻イヴリン(エリザベス・マクガヴァン)とされる。
ハリーは「像を降ろせ。」と要求するが、ホワイトは拒否。

場面は変わって、緑に囲まれたニューロシェルの屋敷に住む一つの家族。
花火や祭りの飾りなどの製造工場を経営している父(ジェームズ・オルスン)、母(メアリー・スティーンバージェン)と小さなその息子と、母の弟(ブラッド・ドッリフ)らが食卓を囲んでいた。
弟は、父の共同経営者である。
商品は良く売れて会社は順風漫歩であるという事が、この時の父の報告でわかる。

さて食前の祈りを捧げて、これから食事を始めようとしたその時、庭でメイドの悲鳴が上がり、黒人の赤ん坊が発見される。

心優しい母の主張で、赤ん坊とその母親サラは、
ひとまず引き取って、屋敷で保護する事となった。

一方、ニューヨークでは、弁護士と相談しても、
像を降ろす法的手段がないことを知ったハリーがヤケになって、
マディソン・スクエア・ガーデンでホワイトを射殺。
現行犯で逮捕される。

出廷のために帰国したハリーの母。
弁護士立会いの場でイブリンは、ハリーの母に、
これまでの夫の自分に対する酷い仕打ちの一部始終を話して、
心神喪失による無罪に持ち込もうとするも、
状況を理解しない母は「あの子は、そんな人間じゃない!」と我を張り話が通じない。
そしてイブリンを指さし「この女だけが汚点よ!」と憎悪を向けるのであった。
それでも弁護士は裁判を有利に進めようと、
心神喪失状態での行為と主張することにしてイヴリンに
「その方向で指示通りに証言し、ハリーとの離婚を承知すればソウ家から百万ドルが支払われる。」と言いくるめて離婚を承諾させる。

言われるままに偽証した裁判の閉廷後の事。
イヴリンはユダヤ人街で切り紙細工をしていたターテに呼び止められる。
見ると器用に切られた切り絵細工が見本として何点か展示されていてイヴリンは、少し興味を惹かれた。
するとターテは、誘拐防止にと自分の娘をロープで自分の膝に括り付けたまま、
彼女をモデルに切り紙細工を作り始める。
そんな時、妻の浮気を知らされたターテは、怒って妻を追い出してしまう。
驚いて立ち尽くしていたイヴリンの後ろには、先ほどのハリーの裁判を傍聴後、そのままイヴリンをストーカーのごとく追って来ていた花火会社の弟の姿があった。

その頃、劇場でピアニストのオーデションを受けていたのは、
コールハウス・ウォーカー・Jr(ハワード・E・ロリンズ)。
彼こそが、あの捨てられていた赤ん坊の父親であった。
コールハウス・ウォーカー・Jrのピアノの腕前はなかなかのもので、バンドメンバーのピアノ奏者としての採用が決定した。


ユダヤ街での浮気騒動から数日後。
幼い娘が気になって、ターテの家を訪ねたイヴリン。
だが、その頃ターデは娘を連れて、列車に乗って旅立っていた。
大きな街の書店で自作のパラパラ漫画を売り込み、思いがけず、まとまったお金を手に入れたターデは、娘にレストランでクリームパフェを御馳走してあげる。

一方、ターデの家に入り、無人であるのを確認したイヴリンだったが…この日も、この辺りをストーカーのごとく見張っていた弟が目ざとく見つけて、後を追い交際を申し込む。

数日後のある朝の事。
ニューロシェルの屋敷を黒人ピアニストのコールハウス・ウォーカー・ジュニアが訪ねて来て、サラへの面会を希望する。
しかし、それを父がサラに伝えるも、彼女は面会を拒否。
困った父がその事をコールハウス・ウォーカー・ジュニアに伝えに行くと、彼は勝手にメイドが赤ん坊の世話をしていた部屋へと入り込んで、赤ん坊を抱き上げて愛しそうにしていた。
自分が赤ん坊の父親だと主張すると「また来る」とサラへの伝言を残してコールハウス・ウォーカー・ジュニアは去った。

イヴリンが偽証したので、ハリーは無罪となり精神病院へ入れられた。
イヴリンは晴れて自由の身となりお金も入ると見込んでいたが、イヴリンが裸で弟と抱きあっている家へ、
弁護士らが勝手に押し入り、書類を手渡してサインを求める。
その書類には離婚の報酬が2万5000ドルと極端に値下げされており、イヴリンが不貞を働いたので、その金額で手を打てと迫る。
このままでは不貞を訴えられると弁護士に脅されたイヴリンは「偽証までして命を救ってあげたのに!」と不満を洩らしつつも、弁護士に押し切られて、仕方なく言われるがままサインしてしまう。
イヴリンに法的手段で対抗した方がいいと助言した弟は弁護士でもある義兄を紹介しようと、彼女を家へ招待する。
ところが、二つ返事で承諾した筈のイヴリンは約束の日に現れなかった。
家族には、招待していた彼女の名前さえも知らされていなかった。
礼儀も知らないし、一体どんな女性なんだかと父(弟の義兄)はぼやき、がっかりする一同。
不可解な気分のままで、家族揃ってディナーを始めた時、
サラとの結婚を決意したコールハウス・ウォーカー・Jrが再び訪ねて来る。

父は慎重にコールハウス・ウォーカー・Jrの人柄を見極めようとした。
彼は、
一度はサラを捨てたが、定職に付けず荒れた暮らしぶりだったあの頃とは違い、
やっと就職も決まったので、
結婚が出来るようになったのだと語った。

弟がピアノを弾いて欲しいと乞うと、やがてコールハウス・ウォーカー・Jrは、そこにあったピアノで、ショパン 24の前奏曲 作品28 第7番 イ長調 ピアノ楽譜を弾いて聴かせた。
その美しい調べがサラの元へも流れて行き、
ようやっと頑なに閉ざしていたサラの心も氷塊して、
二人は涙を流して強く抱き合った。

コールハウス・ウォーカー・Jrは、一家に、サラがプロポーズを受けてくれた事を知らせて、週末に行う結婚式に招待したいと言い残し、喜び勇んで帰って行った。
ところが…その帰り道で悲しく辛い出来事がコールハウス・ウォーカー・Jrを襲う…。

一方、ディナーへの招待をすっぽかしたイヴリンは、
勝手に引っ越しして行方をくらませていたが、弟は、彼女の居場所をつきとめて話を聞きに来た。
態度が豹変したようなイヴリンに「僕が何か悪い事をした?」と彼は尋ねたが、踊りのレッスン中だったイヴリンは
「今は忙しいから話は後にして!」と言って釈明を拒む。
結局、今の住まいも教えてもらえず、
イヴリンにダンスのレッスンを付けていた劇場の関係者に追い出されてしまう。

一方その頃、上機嫌で車を運転していたコールハウス・ウォーカー・Jrは、
白人の消防団員らに、消防車で道路を塞がれたり、法外な通行料を要求されて困り、警官(白人)を呼びに行く。
そして車のところに戻ると、シートに馬糞を塗りたくられていた。警官もちょっとだけ消防団員らを叱ってはくれたが、結局は奴らの側について「自分で掃除して車を出せ。」と言う。
その挙句、コールハウス・ウォーカー・Jrが公道を塞いで迷惑をかけたという言い掛かりを付けられて逮捕されてしまう。

警察で引き取り手のないコールハウス・ウォーカー・Jrは仕方なくニューロシェルの屋敷に連絡して、屋敷の父が彼を引き取りに行く。
保釈金も父が出してくれた。
釈放されて車の所へ戻ると、新車はさらにボコボコの傷物にされていた。

怒りを押さえられないウォーカーは、やった消防団員らに車を元通りにさせようと弁護士や役所を奔走するが埒があかない。
白人上位社会は、ある程度、黒人側が辛抱しなければ仕方がないというムードが国中に蔓延していたのだ。

ニューロシェルの屋敷では父が、サラに、ウォーカーを説得するように諭す。
「憤りを収めず、この件に執着するウォーカーのために、
いつまでも君を預かっているわけにはいかない。」と。
それを聞いていた弟が「弁護士は、時間とお金は掛かっても方法はあると言っていた。」と口を挟むが、
弟ほどお人よしではない父は取り合わない。
サラが泣き崩れているので、父は妥協して
「馬鹿げたマネを止めて結婚するならば車の修理費は払う。」とウォーカーに伝えるようにと言う。
しかしウォーカーは消防団員に償わせる事に固執して一歩も譲らないと泣きながらサラは話した。
父は「君の責任で何とかしろ。」とサラに問題の解決を押し付けてしまう。
それで、サラは、ちょうど国民との対話を目的に、
北西部に来ていた副大統領に陳情に行き、
取り押さえた警備員に殴られた傷がもとで死んでしまう。
花嫁衣裳に身を包み棺に横たわるサラ。

ついにウォーカーは仲間を集めると消防署を襲撃して署員を射殺する。
だが主犯格のコンクリンは「その時おらず、ウォーカーは警察署にコンクリンを裁いて、謝罪の新聞広告を掲載せよ。拒むなら別の消防詰所を燃やし消防団員を殺す。」との脅迫状を出す。

ウォーカーに同情した弟は、彼の居場所を訪ねると「爆弾を作ろう」と申し出た。
彼らは消防隊長コンクリンの家を爆破した上に、ニューヨークのモーガン図書館を占拠する。

家に押しかけるマスコミを避けて、ニューロシェルの一家は、
海辺のリゾート地で過ごしていた。
ウォーカーの赤ちゃんも連れてきている。

浜辺ではオバカな感じの海賊映画を撮影している。
何故か監督はターデで、主演女優はイヴリンだった。
この時、初めて互いを見知ったニューロシェル一家の息子と、
ターデの娘。
おしゃまに「よろしくね。」と言うターデの娘に、息子は照れた様子であったが、かなり意識している模様。
ターデが今や量産体制のパラパラ漫画本をプレゼントすると笑顔になった。
そこへ父も現れて、
撮影の後のパーティに一家を招待するターデ。

その頃、ニューヨークの襲撃現場は警察が取り囲み大騒ぎとなっていた。
ウォーカーは、破損された車を元に戻す事と、コンクリンを差し出す事を要求。
警察からはウォルド警視総監(ジェームズ・キャグニー)が、出張して来て指揮をとる。
交渉役に呼び寄せられた黒人のワシントン牧師の説得にも耳をかさなかったウォーカーだった。

煮詰まった警官が侵入突撃を開始した後の事。
リゾート地から一人で戻って来た父が、建物内へ入り、
直接、彼と話してみる事になる。
弟はずっとウォーカーら犯行グループと行動を共にしており、
この時も共にモーガン図書館に立て籠もっていた。
覆面をしているので、この場に義弟がいるとは知らず、
「義弟から連絡はなかったか?」と、父がウォーカーに聞いた。
ウォーカーは父や義弟に恩義を感じていたので、義弟がこの場にいる事は伏せつつ、
仲間を無事に逃がす事を条件に投降する事を承諾する。
でも…まだ「俺の車を図書館の前に付けさせてくれ。」と言っていた。

仲間は夜の闇に紛れながら、警察が用意した新車に乗って逃げ切り、図書館に1人で居残っていたウオーカーが、神に苦しい胸の内を述べた後、
覚悟を決めて両手を挙げて建物から出て来たところを、
ウォルドは部下に命じて射殺させた。

その後、母は映画監督として大成功を収めたターテと懇ろになり、3人の子供達を連れてニューロシェルの屋敷を去って行った。
その様子を父は、窓辺のカーテン越しに寂しそうに眺めていた。

最後までウオーカーとサラの子を見捨てなかった妻の優しさが、悲劇の後のせめてもの慰めに感じられる。

精神病院からハリーが退院した。
同日、第一次大戦が開戦した。