ドラマ 吉原炎上 観月ありさ ネタバレ~その5 | 映画 ネタバレ・あらすじ・結末 最終回まで~ドラマもね

映画 ネタバレ・あらすじ・結末 最終回まで~ドラマもね

映画のネタバレ・あらすじ・キャストを最終回までや日本、韓国、中国、米国の映画・ドラマから面白いものを選んでネタバレ・あらすじ・感想を書いています。 

ドラマ 吉原炎上 観月ありさ ネタバレ~その4の続き。

ドラマ 吉原炎上 観月ありさ ネタバレ~その5

明治43年12月。
この日、大倉の絵のモデルをしていた紫は、手元の針仕事が完成した時に「出来た!」と思わず笑みが漏れ、
それを見た大倉は「笑った!」と喜んだ。
「え?」
無意識だったので紫は「嘘ですよ~笑ってません。」と否定する。
「いや、笑った!君は笑ってる方が綺麗だよ。」と大倉。
「笑ってません!」
「いや、笑った。」と他愛のないやりとりを繰り返し、結局
紫は最後には笑ってしまう。

夜遅く、雪が降り出した中を、歩いて帰ると言う大倉を送りに出て、去りゆく後姿を見送りながら、
紫は心に温かい余韻を感じていた。
この気持ちは…違う、惚れたりしたんじゃない。
そう自分に言い聞かせる。

一方、大倉の方でも、紫の笑顔が見れたという、そんなささやかな出来事に、言い知れぬ充実感を感じている自分の
この気持ちは…まさか、恋というものなのだろうかと戸惑いを覚えていた。

やがて、絵が完成すると大倉は、その絵を額縁に入れて紫に送り、その後、暫く夕凪楼へ姿を見せなくなった。
その頃、白妙の馴染みの金持ちの客が、紫を気に入って
白妙から足が遠のくという出来事があり、
白妙は自分の客を取ったと紫に怒りをぶつけに来た。
煩わしがって紫がマトモに取り合わないでいると、白妙は「あの絵描きの客に逃げられたからって何も、あたしの客に手出す事ないだろ!」と見当違いな言い掛かりを付けだして、その上、大倉や紫を侮辱するような事まで口走るので、とうとう2人は取っ組み合いの喧嘩になった。
ところが、店の中で掴み合いながら、雪が積もる外まで転がり出て、上になり下になり叩き合っていると、そのうち白妙の動きが止まり…雪の上に血を吐いた。
それでもまだ憎まれ口を叩きながら体ごと雪の上に倒れ込んだ白妙。
紫は、突然の事に驚き、その白妙の様子にたじろぎ、立ちすくむ。

その後、医者を呼んで診察してもらうと、病状はかなり進んでおり「この冬は越せないだろう。」との診たてであった。
この時、紫は、スマと交わした会話から初めて、
白妙が天涯孤独の身の上であった事を知る。
初めて出会った頃に、家族のために頑張るんだと話していたのに何故…?

あまりに病状が重いので、住み替えを強要するわけにもいかず、仕方なく白妙は夕凪楼で面倒を見るとスマは言った。
だが「感染する病気だから、くれぐれも、白妙の部屋には入らないでおくれよ。」と、スマは紫に釘を刺す。
再び紫は夕凪楼の御職になった。
再び自分の物となった御職の部屋。
不幸がある度に主を変える部屋。
白妙の家具が運び出されたそのがらんどうの部屋で、紫は
「雪ちゃん…」と呟き泣いた。


明治44年 正月。
紫に身請け話が来た。
先方は正式な妻として紫を迎えたいと仰っている。
なんと、その相手は、これまで自分に指一本、触れた事のない、あの大倉だ。
大倉は4月に海外への駐在の辞令が降りており、その前に紫を妻として娶りたいとの事。
捨てられたわけではなかった。…紫は、大倉から贈られた
自分の似顔絵を取り出してジッと見つめてみた。
身も心も凍らせて、こんなに寂しそうな味気ない顔つきになった自分を、有りのまま正直に紙に写しながら、
長い間、見守り、気長に、待ってくれた…唯一無二の、たった一人の人。
汚れた身体や身分を蔑む事もなく、同じ人間として分け隔てなく、
一人の女として大切に接してくれた人。

もうこれ以上ないほどの幸せの絶頂期を迎えた紫であるが、
あろう事か…もう二度と来ないであろう最高条件でのこの身請け話を紫は断った。
前々から胸の奥深くで育てて来た、ある一つの計画を実行に移すために。
それは花魁道中だ。

紫が、絶対に入るなと釘を刺されていた雪乃の部屋に入ると、背を向けて「身請け話を自慢しに来たのか!」と相変わらずの憎まれ口を叩く雪乃。
紫は「その話は断った。」と告げ、雪乃をずいぶんと呆れさせた。
そして、紫は久野に戻り、雪乃に、
「あたしたちが初めて会った日に見た花魁道中の事を覚えている?」と聞く。
「綺麗で華やかで、まるで夢の世界の出来事のようだった。」
微笑みを浮かべながら久野は語り、その時に二人で一緒に見た「いつか花魁道中をするんだ。」という夢を実現させると言う。
「久ちゃんには手を差し伸べてくれてる人がいるのに、なんで?なんでよ!」
さっきまで嫉妬から恐い顔をして、憎まれ口を叩いていたのに、雪乃は折角の機会をフィにする久野の行動を、
今は涙を浮かべて猛反対していた。
すっかりと出会った頃の雪乃に戻って。

仲直りした後、雪乃は久野を、堕胎した自分の子供を根本に埋めた大木の所へ連れてきた。
「誰の子かわからないけれど、本当は、あたし産みたかった。」と言って泣く雪乃。
家族のいない雪乃の、それが本音だったが、そんな想いを胸の奥に隠したまま、一人で始末したのだと言う。
女の子だったその子を、土を掘って此処に埋めて、その帰り道で、勇吉と連れ立って歩く、あの時の久野に会ったのだと打ち明けた。
雪乃が、やけに生気のないぼんやりとした様子で、トボトボと道を歩いて来たあの時の事だ。

あの時、幸せそうに輝いている久野を見て「なんで、あたしだけが…」そう感じて、久野の事が憎らしくなり、
そこから、どんどん捻じくれて、久野の幸せを呪い、おかしくなっていったのだと打ち明けた。

「だから、あたし、久ちゃんにあんな事を。ごめんね。今更、謝っても仕方ないけど。」地面に手を付いて謝る雪乃。
真相を知った久野は、あの時、自分の幸せにのぼせあがり、
雪乃の様子がおかしい事に気付いてあげられなかった自分を悔やんだ。
「辛い思いしたね。よく辛抱したね~偉いよ。雪ちゃんは。」雪乃の両手を取って、そう励ます。
雪乃は、久野の胸の中に倒れ込むようにして泣いた。
久野も雪乃の肩を抱きながら泣いた。
「わかってあげられなくて、本当にごめんね。」と。

久野と雪乃。
二人が和解してから暫く後の事。
紫に袖にされた形の大倉が、再び夕凪楼へやって来た。
部屋に上がった大倉は言った。
「今日は君の時間を買いに来たんじゃない。君の身体を買いに来た。」
「その前にお話したい事がございます。」冷静な口調で前置きし、
紫は、ここへ来る前、ここに来てからの自分の身の上話を暫くした。
「ここでの暮らしに耐えられたのは、年季が明けたら、好きな人と一緒になれる…その夢があったから。でも…その夢が壊れてしまった日の事は、あなたもご存じですよね?」
惨めな思いをして、あの時にわかった事。
それから「心も身体も凍らせて生きてやる。」と固く決意して、今日まで生きて来た事。
「でも、たった一度だけ私…」凍らせた心が溶けそうになったのだと、続けたかった言葉を飲み込み
「あなたから、身請けの話を頂いた時、私本当に嬉しかった。」
そう素直に心情を打ち明けた紫。
「だったら…。」と言い掛けた大倉の言葉を遮って
「でも、お受けする事は出来なかった。どうしても。」と言う。
その理由を尋ねる大倉に紫は
「身請けと言うのは私にとって、売られるのと同じだからです。買われる事と同じだからです。」と話す。
「私は、あなただからこそ、お金なんかで買われたくない。私は自分自身の力で大門を出て行きたい。」
その言葉を聞いて大倉は、どんな境遇にあっても人としての誇りを見失わない尊い生き方に、胸を打たれた。
そして、それと同時に、そんな久野の気持ちもわからず、金で彼女を買おうとしていた自分を恥じた。

「勝手な事ばかり申し上げました。でもこれが私の本当の気持ちです。」と言って、深々と頭を下げる久野。
誇りのために、あえて回り道をしようとしている久野を、頼もしくも痛ましくも感じながら、大倉は「わかった!だったらそうしよう。」と答えた。
そして、久野を抱く事はせず、部屋を出て行った。

その翌日であろうか?
それとも翌々日であっただろうか?
紫は赤倉夫妻に頭を下げて花魁道中をさせてくれるように頼んだ。
道中に掛かる費用は自分の借金に上乗せしてくれていいとも伝えた。
「そんな借金抱えたら一生、この吉原に沈んだままになってしまうかもしれないんだよ!」
驚いて、二人は何とか思いとどまらせようとしたが、紫の覚悟は固く、どうしてもと言うので、
これ以後、店主の赤倉鉄之助は、資金繰りと準備のために奔走する事になる。
赤倉は、ことさらに可愛がっていた紫のためだからと、今回の花魁道中は、これまでのそれとは違い、吉原全体で行う大規模な催しとしてやれないかと組合で提案してくれた。
赤倉の提案は満場一で賛同を受けて承諾された。
そして、費用は全額、組合が出すという事で、紫の借金が上乗せさせる事もない。

道中は桜の花が咲く頃に実施される事も決まった。

ドラマ 吉原炎上 観月ありさ ネタバレ~その6へ続く。

ドラマ 吉原炎上 関連記事



映画 吉原炎上 ネタバレ・あらすじ・感想・疑問
映画「吉原炎上」の別の見方
ドラマ 吉原炎上 観月ありさ ネタバレ~その1
ドラマ 吉原炎上 観月ありさ ネタバレ~その2
ドラマ 吉原炎上 観月ありさ ネタバレ~その3
ドラマ 吉原炎上 観月ありさ ネタバレ~その4
ドラマ 吉原炎上 観月ありさ ネタバレ~その6