ドラマ 吉原炎上 観月ありさ ネタバレ~その4 | 映画 ネタバレ・あらすじ・結末 最終回まで~ドラマもね

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ドラマ 吉原炎上 観月ありさ ネタバレ~その3の続き。

ドラマ 吉原炎上 観月ありさ ネタバレ~その4


明治42年の夏。
互いの店で二枚目を張る若汐と白妙は、今や、道ですれ違っても挨拶すらしない。
かつて、あれほど仲睦まじかった事が嘘のように。

お兼が若汐を呼び止めて「近江楼の白妙さん、ついに御職(おしょく)だそうです。」と、わざわざ告げた。
「近江楼の勝気な花魁、白妙か?それとも夕凪楼の笑わぬ花魁、若汐か?吉原の人気を二分する二枚目同士、ついに決着か?」
お兼は茶化すように若汐に扇子を振りながら言う。
その直後、店主の赤倉に呼ばれて行ってみると、若汐もまた、そろそろ御職(おしょく)になる時期だろうと言う話だった。
若汐は左京への遠慮があったので、躊躇したが、
赤倉が「左京は住み替えなんだよ。」と言うので、左京を慕っていた若汐は驚いて、その理由を尋ねる。
スマが「あの子の事は、外へ行ってあんまり言って欲しくないんだけど…」と釘を刺して言うには、左京は病気をうつされたと。

若汐はそれを聞いて「病気になったからって左京さんを追い出したんですか!なんでそんな酷い事を!」と赤倉、スマ、お兼に怒った。
しかし、逆に「おまえさん何か勘違いしているんじゃないかい?ここはね、元々、酷いところんんだよ。女の生血を吸って成り立っている場所。そこで、あたしゃ金儲けをしている極悪人だ。」と赤倉に言い負かされる。
女郎屋の店主と言えど、普段、物腰の柔らかい赤倉の事を確かに若汐は、勘違いしていたのかもしれなかった。

「金儲けのためだったら、この夕凪楼を繁盛させるためだったら、あたしゃ、どんな事だってするんだよ。
あんな病気持ちの女郎を御職(おしょく)として、この店に置いといたら、この夕凪楼の先行きがどうなるのか?それくらいおまえさんにだってわかるだろう!」
酷い話だが、吉原では常識で通っている話を赤倉は懇々と若汐に言って聞かせた。
そして、いつになく厳しい表情で「左京の事は二度と、私の前で口にするんじゃない!」と釘を刺すと、改めて、若汐に、御職(おしょく)を引き継ぐ事を頼んだのである。

若汐は、改めて自分は地獄にいる事を思い知らされた。
しかも聞かされたのは〝明日は我が身”のやるせない話。
若汐は御職(おしょく)女郎への昇格を諸手を挙げて喜ぶ気持ちにはなれなかったが、
わだかまりを残しつつも、紫という新しい源氏名で御職(おしょく)を引き受けざるおえなかった。

左京の部屋の豪華な家具はたちまち男衆らに運び出されて、新たに紫がその部屋の主となった。
大倉は今でも、定期的に紫の絵を描きに通って来ていた。
その日、大倉の描いた自分のスケッチを見て、紫は尋ねた。
「私、そんなに寂しそうな顔をしていますか?」
大倉は「一度だけでも君の笑った顔が見たい。」と願ったが、未来に掛ける夢ひとつない紫には、心の氷塊を溶かす理由が見当たらない。


大倉は外務省の役人で、元々が真面目で有能な男であっただけに、いったいどうした事かと、
彼の吉原通いは省内で、もっぱらの噂となっていた。
そんな大倉は友人から、諸外国の手前、もっと身を律せよと注意されるが、後ろ暗い所のない彼は「相変わらず、おまえは心配性だな。それくらい俺だって、ちゃんと弁えているよ。」と一笑に付した。

左京が部屋に置き忘れた簪を届けようと、紫は、住み替え先を訪ねて行ったが、もう左京はそこからも落ちて、東河岸の羅生門河岸にいると言う。
加齢や病気で、ほとんど誰からも相手にされなくなった花魁たちが落ちて行き着く場所だ。
しかし紫が、そこを訪ねてみると、もう左京は死んだと聞かされた。

いつか足抜けをして追手の男達に追い詰められて、自分の首を切った、あの花魁(鶴尾)がそこにいて左京の最後の様子を話してくれた。
病気の毒が頭に回って気が触れていたが、それでも食べていかなければならないから、縋るように客を引いていたそうだ。
吉原に初めて来た日に見た、あんなにも華やいで綺麗だったあの人の、そんな惨めな姿を若汐は信じる事が出来なかった。
「違う!そんなの左京さんじゃない!」悲しみのあまりそう叫んだが、その女々しい様子が鶴尾の癇に障る。
「おまえらなんかに、ここの女の事がわかってたまるか!お嬢さんは、さっさと帰りやがれ!」と背中に罵声を浴びせかけられて、「違う、違う…」と、左京の簪をギュと握りしめて泣いた。


明治43年3月。
近江楼が廃業する事になり、そこにいた花魁たちを他の店で分けて引き取ろうと話が決まり、
夕凪楼には御職の白妙他10名ほどが来る事となった。
一件の女郎屋に2人の御職がいてはおかしいので、紫は二枚目に降りる事となる。
気が強い花魁と前々から評判で、言いたい事をズケズケ言う白妙は夕凪楼に来ると、紫がいまだに張り見世に出ている事に難癖を付けて絡んできた。
しかし紫も黙ってはいない。
「吉原のしきたりを無視して花魁の地位と立場を貶めるな。部屋持ちは部屋持ちらしくしてこそ、花魁の格が保たれる。」と白妙から非難されるも、鼻で笑って言い返す。
「御職だろうが部屋持ちだろうが女郎はしょせん女郎。羅生門河岸の女と変わる事なんかどこにもない。」と。
羅生門河岸の女と一纏めにされて白妙は烈火のごとく怒る。
紫の心には、それを自分に教えてくれたのは白妙だったじゃないか~今更、何を上気(のぼ)せてやがるんだ!…という思いがあったから譲れない。
2人の間で火花が散った。

ドラマ 吉原炎上 観月ありさ ネタバレ~その5へ続く。

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