映画 肉体の門 (1964年)ネタバレ・あらすじ キム・ビョンオクにそっくりな玉川伊佐男 | 映画 ネタバレ・あらすじ・結末 最終回まで~ドラマもね

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邦画のご紹介です。

映画 肉体の門 (1964年)ネタバレ・あらすじ キム・ビョンオクにそっくりな玉川伊佐男


映画 肉体の門 (1964年) 概要


1964年公開の日本映画。
監督:鈴木清順
原作:田村泰次郎の小説(1947年発表)
配給:日活
5回も映画化されており、本作は二度目の映画化にあたる。

映画  ネタバレ・あらすじ


第二次世界大戦後の1947年(昭和22年)。
アメリカ進駐軍の占領下にあった混乱期の東京で、自らの身体を売って生きている女たちがいた。
彼女らは在日米軍兵を相手に商売をしていたが、
有楽町の廃墟ビルを根城にするおせん(関東小政の異名あり)が率いるグループだけは、米兵とは寝ないという固い掟を持って暮らしていた。
おせんのグループには他に、他の娼婦に縄張りを荒させない、金を貰わずに男と寝ないという掟があり、もし破れば容赦なく酷い制裁を受けるんだと言い聞かされて、
17歳のマヤは仲間に入れてもらう。
マヤは、たった一人の兄をボルネオで亡くし、外国兵にレイプされ、頼る人もなくこの場所へ流れ着いて来たのである。
おせんはいつも赤い下着に赤いドレス。
ジープのお美乃は紫の下着に紫のドレス。
ふうてんお六は黄色の下着に黄色いドレス。
そして町子だけが着物姿で他の女たちとは、ちょっと距離を置いているように見えた。
マヤは黄緑の下着とドレスを与えられてそれを身につけた。

ある日、廃墟ビルに、進駐軍の兵隊を半殺しにした復員兵の新太郎が転がり込む。
足に怪我をしていたので、おせんたちは治療してやり、暫く匿ってやる事にした。
新太郎は鍛え上げた逞しい肉体をしており、
グループ全員が、新太郎を憎からず思うようになるが、抜け駆けする事も出来ず、自制しながら共同生活を送る。

そんな時、町子が小笠原という馴染み客と無料で寝ているのがバレて、怒ったおせん、マヤ、お美乃、お六は、
町子を裸にしてロープで宙吊りにし竹刀で力任せに叩くというリンチを加える。
さんざん血が出るほど叩いた後、おせんが剃刀まで持ち出して来たのを見て、それまで黙って見ていた新太郎が止めに入る。
それで切り刻まれるのだけは免れた町子。
新太郎に兄の面影を見ていたマヤは、その後もどんどんと彼に惹かれて行く。
だが、やがて怪我の治った新太郎は、盗んだ進駐軍のペニシリンを売りさばいたら、この場所を去るつもりでいた。

おせんの口ききで新太郎は、この辺りを牛耳るヤクザの吉野組の石井にペニシリンを売る商談を成立させて先に代金を受け取った。
その夜、盗んだ牛を殺して売った残りの牛肉を食べ酒を飲み、みんなで歌って騒いだ後の事。
新太郎に気があったおせんが彼に迫るものの、あっさりとフラれてショボくれて、外にいた。

ところが、新太郎は、その後、マヤの誘いを受けて肉体関係を持つ。
そして新太郎は「俺と一緒に誰も知らない土地へ行くか?もしその気があったら、9時に日の出橋で待っててくれ。」と言い残して、出て行った。

物陰でこの会話を聞いたおせんは激怒して、マヤに激しいリンチを加える一方で、
新太郎がペニシリンを持って隠れている事を吉野組と米MP(憲兵隊)へ垂れ込む。

新太郎は彫師の彫留(玉川伊佐男)に預けてあった戦友の遺品を受け取ると出て行った。
朝が明けるまでの間、新太郎がどこにいたのかはわからないが、翌朝には日の出橋の上で煙草をふかしてマヤを待つ新太郎の姿があった。
何も知らずにいた新太郎に向け放たれたMPの拳銃の弾が、彼の胸を打ち抜き、背中から川へと落ちた新太郎。
吉野組の連中がそばに寄ると既に息はないようであった。

そうとも知らずマヤは日の出橋に走って行くが、
そこにはもう新太郎の遺体もなく、川の中で彼女が見つけたものは、兄が出征する時に、家族や近所の人たちと書いた日の丸の旗の寄せ書きだけ。
マヤが兄の思い出として後生大事に持っていたものだった。

(終わり)


映画 肉体の門 (1964年) 感想



実は、かたせ梨乃 が主演を務めたという(1988年)の『肉体の門』を観るつもりが、間違えて、もっと古いのを見てしまったのですが、画質は綺麗でした。
たぶん修正されてるのかなって思います。

第二次世界大戦後って、まぁ確かに混乱してたのでしょね。
現代ではもちろん売春は禁止されていますが、ま、それに近いもの、あるいはこっそり行われるそれって、全部その道の極道の方が取り仕切っておられるかと思うのでして、
女性本人が自らの意思で直接、買い手を探して身体を売る。誰にもピンハネされずに。って事が出来ちゃうのは混乱してたからかと。

ピンハネがなければ、確かに実入りは大きいでしょうけど…吉原の花魁のように、どこかに所属してないので、病院で定期健診をして病気の早期発見を心掛ける事もしてないかと思われ、その点、吉原以上にヤバいですよね?!

自らの意思で自らの身体を売るという事もそうですが、
この映画に登場する人物からは皆、もの凄くエネルギッシュな熱情のようなものが感じられて、
そういう点で、今の時代のクリーンで冷めた映画とは全く違うな~と感じました。
この熱気を帯びた演技って…日本にはないけど、韓国ドラマや映画には今でもあります。
喜怒哀楽のハッキリしたそういう感情表現の方が、私の場合は好きなので、この『肉体の門 (1964年)』にも惹きつけられた事は確かです。

そして、国境を越えてまたまた似ている韓国俳優と日本の俳優を発見!
彫師役の玉川伊佐男という方が余りにも韓国俳優のキム・ビョンオクにそっくりなので、キム・ビョンオクさんにも是非見せてあげたいぐらいです。
本人が見たら「えっ!?どうして俺、日本の昔の映画に出てるんだろう?まだ生まれてなかったのに。」って驚くのではないでしょうか?