『師任堂(サイムダン)色の日記』宜城君(ウィソングン)は実在した?安堅の金剛山図は架空の作品 | 映画 ネタバレ・あらすじ・結末 最終回まで~ドラマもね

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韓国ドラマに関する記事です。

『師任堂(サイムダン)色の日記』宜城君(ウィソングン)は実在した?安堅の金剛山図は架空の作品



「金剛山図 作者」というキーワードで検索する人がいるようだ。

これは、どう考えても韓国ドラマ『師任堂(サイムダン)色の日記』に登場する「安堅(アンギョン)の金剛山図」という架空の作品のせいだろう。

「金剛山図」というタイトルの絵自体は、先の記事、師任堂(サイムダン)色の日記 金剛山図 作者、安堅(アンギョン)って?
で書いたように実在するので話がややこしいのだが、
その実在する「金剛山図」とは、作者不詳の民画という絵の中の1枚に過ぎず、取り立ててその文化財的価値を云々するようなものではないようだ。
(こちらのブログさんの朝鮮民画(9)「山水図―金剛山図」民画の本質という記事を拝見して私もそれを知った。)

上記ブログさんで、金剛山(クムガンサン)の事を以下のように紹介してらっしゃる。↓

金剛山(クムガンサン)は北朝鮮の江原道の東海(日本海)から内陸に位置していますが、その峰は韓国の雪岳山(ソラクサン)に連なり38度線を境に分断されています。金大中大統領のころに一時北朝線が韓国の観光客を受け入れた場所はこの金剛山でした。

昔から朝鮮の人に愛された風光明媚な観光名所であり、
度々書画の対象となって描かれた憧れの場所でもあり、
信仰の対象の霊山でもあったのに、
何やら政治的にも微妙な場所な様子で、
2008年7月には韓国から来た観光客(50代の主婦)が北朝鮮の警備兵に射殺されるという事件が起こっており
観光出来ると言っても「やはり北朝鮮との境目は物騒だな~」という印象が否めない。


『師任堂(サイムダン)色の日記』では絵だけではなく、重要な登場人物も、一部、架空の人物であったりする。
サイムダンの恋人であった宜城君(イ・ギョム)という王族関係の人物がそれであるが、
王族の系譜の中に良く似た名の宣城君という人物がいるにはいる。
第9代国王、成宗の七男、甄城君(けんじょうくん)の孫にあたる人物によく似た宣城君という名があった。
甄城君(けんじょうくん)の生死年が、1482年~1507年で、シン・サイムダンの生死年が1504年~1551年である事を思うと、
祖父と孫ほどの年齢差はない。
親子ほどの年齢差であるので、この事からサイムダンと甄城君の孫もまた親子ほどの年齢差という事になってしまい、
ドラマで描かれるようなロマンスが発生しうる同世代ではない事から、この実在の名前が似てる宣城君とドラマに登場する宜城君とは別人という事になる。

他には、李氏朝鮮王朝、第3代の国王、太宗の次男、孝寧大君の長男にも、よく似た誼城君(1411年~1493年)という人がいたけど、これもまた年代が全然合わず、関係ないわ。

ゆえにドラマの宜城君は架空の人物と結論付けるのが妥当と思われるが、
ドラマで描く場合は、時代考証などを気にせずに済むので、
架空の人物の方が自由に動かせる分、脚本上は具合が良いだろうとは思う。