映画「つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語」ネタバレ・あらすじ・感想 | 映画 ネタバレ・あらすじ・結末 最終回まで~ドラマもね

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邦画のご紹介です。

映画「つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語」ネタバレ・あらすじ・感想

映画「つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語」 概要



2013年1月公開の日本映画。
監督:行定勲
原作:井上荒野(直木賞作家)『つやのよる』
ジャンル:群像劇

映画「つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語」ネタバレ・あらすじ



艶という名の一人の女に関わり翻弄された男たちと、その妻や恋人たちの現在の暮らしぶりを追いつつ、
それと並行して、今は余命幾ばくもなく病床に意識不明で横たわる艶の夫、松生春二の身を削るような生活を見せ、
それでも、艶のために、これまで情を交わしたすべての男を見舞いに呼ぼうとする松尾の渾身愛を描く。

自宅で、今か今かと文学賞の受賞の知らせを待つ作家の石田(羽場裕一)と、その妻、石田環希(小泉今日子)と出版社の編集員ら。
そこに掛かって来た1本の電話は、受賞の知らせではなく、
石田の受賞待ちの新作「艶やかな獣」のモデルでもあった従妹の艶が、臨終間近であるという知らせだった。
艶は「12歳の時に従兄である行彦にレイプされ、その時の恐怖心がトラウマとなり、逆に男を求めるようになった。」
と夫の松生春二に語って聞かせていた。

結局、石田の自伝的小説でもある「艶やかな獣」は文学賞を受賞する。
しかし、石田は相変わらず女癖が悪くて今も児童文学評論家である伝馬愛子(荻野目慶子)と出来ており、
欲情の赴くままの暮らしを送っていたが、艶の見舞いに行く気などはスラスラない。
石田の妻である環希も、愛人である伝馬愛子も、石田の従妹の艶が「艶やかな獣」のモデルである事は知っていて、
今も石田の心の中に深く残る艶の存在が気に掛かってはいた。

他にも、夫を艶に寝取られた女、橋川サキ子(風吹ジュン)や、艶の元夫の太田(岸谷五朗)と肉体関係を持つ橋本湊(野波麻帆)や、
松生春二に捨てられた妻と娘、山田早千子(大竹しのぶ)・山田麻千子(忽那汐里)らの、それぞれの今と心情を描き出す。


映画「つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語」感想



ストーリーの核である艶の顔を最後までよく見せないように制作されている事の意味を考えてみました。

周囲の人々を振り回した艶は、非常に特徴のある人物だったようですが、この映画はその艶本人を描こうとしたものではなくて、
艶に人生を翻弄された人々の心情や現在の暮らしぶりを群像劇として描こうとしたものだから、
艶本人の事は、外見も含め、さほど詳しくわからなくても、
関係者である彼ら・彼女らの口から漏れ聞こえる断片で想像出来る程度でイイ!というスタンスで作られているからかしらね?

この映画では、
艶の事は、私たちの日常に常に溢れている噂話や、短く纏められたニュースや、言い伝え程度の扱いです。

顔に関しては「美人だった。」と語られていますが、
劇中の関係者の話を総合して考えますと、美人だったから男手入りが激しかったのではなく、
艶の性格的なもので、そうなっていたようです。

でも、艶本人がこの映画のテーマではないとは言え、
関わった男たちの心に深い印象を残していく艶という女に、どうしても興味をそそられますが、最後までそれは噂話の範疇でしかわからない。
私などは、その点に消化不良感を感じて苦しいのですが、
「関わり合った人々が艶によって与えられた影響だとかダメージを観察しているだけで十分楽しめる。」という人には評価が高い映画なようです。


あ…後、松生春二(阿部寛)の元妻、山田早千子役が大竹しのぶって、配役の年齢層にズレがあるようなところに、ちょっと首を捻った。
お見合い結婚なのに、ずいぶんな姉さん女房にしたのにも何か意味があるのかな?