映画 武田真悟の「ファンタズム」ネタバレ・あらすじ・感想
映画 武田真悟の「ファンタズム」概要
※洋画の同名映画と区別するために、タイトルを武田真悟の「ファンタズム」とした。
2014年制作の日本映画。
監督:武田真悟
撮影:カトウジュンイチ
照明:渡邉裕也
録音:鎌田俊春/高島智哉
ジャンル:ホラー
上映時間72分。
福井映画祭9thでグランプリ(観客賞)を獲得、第8回田辺・弁慶映画祭にも入選。
映画 武田真悟の「ファンタズム」ネタバレ・あらすじ
郊外の一戸建てで暮らす江草家は、
父の圭一、妻の恭子、高校生のあみな、小学生のまだ幼い拓海で構成される、裕福で極普通の家庭であった。
ただ、圭一の仕事が忙しく、家族と過ごす時間は常に仕事で邪魔されていた。
その事で幼い拓海に我慢ばかりさせているのでは…という意識が夫婦にはあった。
そんなある日、息子の拓海が出先の公園の浅い河原で溺れて死んでしまう。
それから一年の時が過ぎたが、妻の恭子の様子がおかしくなっていた。
死んだ拓海が忘れられないのだ。
恭子は家族に内緒で霊媒師に頼み、死んだ拓海の声を聞く。
すると、拓海は寂しがり、寒がっていた。
そんな拓海を一人にしておく事に耐えられず、恭子は降霊術師に聞いた場所へ一人、拓海の霊を降ろしに行くのであった。
そこは仄暗いトンネルの中……。
映画 武田真悟の「ファンタズム」感想
まず、邦画のわりには音声がしっかり録音されていて、ストレスを感じない作品であった。
ストーリーが単純で、わかりやすいのは評価出来る。
だが、その反面、これといって際立った個性がない。
登場する降霊術師が、どうもよくわからない人物で、その部分に最後まで困惑させられるのが残念であった。
その小太りの男は、ある時は降霊を飯の種にする商売人、
またある時は素人を一人で降霊に行かせてしまう無責任ぶりで、行動に、どうも一貫性がないのだ。
商売にするならするでいいから、最初から、トンネルの中の降霊に一緒に行ってやれよ!と思う。
あのようにトラブルが起こってからでは、改めて謝礼を請求しにくいだろうからね(苦笑)
でもまあ、ボソボソと何を言っているのか聞き取れない台詞や音声の邦画が多い中で、
この映画の明瞭な音声は、加速する邦画の必然的衰退に、一石投じたとは言えるだろう。