映画 トランスアメリカ ネタバレ・あらすじ・感想(R15+)性同一性障害だったダディ | 映画 ネタバレ・あらすじ・結末 最終回まで~ドラマもね

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洋画のご紹介です。

映画 トランスアメリカ ネタバレ・あらすじ・感想(R15+)



タイトルの「トランスアメリカ」はアメリカ横断という意味であり、主人公がトランスジェンダーである事に言葉を被せて来てるのかも。

映画 トランスアメリカ 概要



2005年公開のアメリカ映画。
監督:ダンカン・タッカー
脚本:ダンカン・タッカー
主演:フェリシティ・ハフマン
ジャンル:ロード・ムービー

映画 トランスアメリカ ネタバレ・あらすじ


ブリー・オズボーンは、昼間はメキシコ料理店で働き、それ以外の空いた時間は電話セールスの仕事をして一生懸命に貯金をしていた。
それと言うのも、彼女には人生の大きな目標があったから。
彼女の人生の最大の目標…それは完璧な女性になる事だった。
なぜならば彼女は〝彼”として生まれたトランスジェンダーだったから。

それでも二十歳過ぎまでは、自分の本心を押さえつけるように隠して、スタンリー・シュパックという本名のまま、ごく普通の男として生きてきた。
だが、それは間違った生き方であったと今では明確に思えるのだった。

そんなブリ―の元に、ある日、NYのダウンタウンにある警察から一本の電話が掛かる。
電話をして来たのは17歳の少年。
彼は何らかの犯罪をやらかして警察に連行されたのだが、身元引受人として父親の存在を告げたらしい。
心当たりがなかったわけではない。
だが「母親に電話をしなさい。」と告げて電話を切ってしまった。


その頃、ようやく、性別適合手術が受けられるという通知がブリ―の元へ届いた。
性別適合手術は人気の手術で、申し込みをしてから順番が回ってくるまで随分長い間待たされるのが通常であった。
手術の日に備えてコツコツとお金を貯めてきたブリ―は、
これで邪魔な股間のアイツに別れを告げて身も心も完全な女に生まれ変わると思うと嬉しくて飛び上がりたい程だった。
ブリ―は、掛かりつけのセラピストであるマーガレットの元に同意書へのサインを貰いに行った。
マーガレットも喜んでくれて、気持ち良くサインをしてくれた。
しかしその後で、彼女に「最近、変わった事はない?」と尋ねられたブリ―は、ついつい先日の息子からの電話の事を打ち明けてしまった。
するとマーガレットは、それを聞きとがめ、手術は見合わせて、少年の母親と話すようにと勧めた。
けれど、ブリ―の元カノであったその人はもう亡くなっていていない。
それに、ブリ―の心はもう既に手術へと飛んでいたので、
もし少年が本当に自分の息子だとしても、
手術が済んで、新しい人生を手に入れてから話したいと希望を述べたが、マーガレットは時期尚早だと反対した。
「いいえ、今回の手術を逃したら1年先まで予約が詰まっているから、私は手術を受けるの!」とブリ―は言い張った。
「保釈金をNYに送って福祉指導員に息子を迎えに行かせるから。」とも言ったが、それでもマーガレットは
「手術には、心の整理をつけてから臨むべき。」と首を縦に振らなかった。
マーガレットの主張を押しのけて手術を実行する事も出来たが、ブリ―は、自分の息子であるかもしれない少年の事で内心は苦悶した。
いくら心待ちにした手術だと言えど「本当に自分の息子であるならば、完全にこの件を忘れ去って良いわけはないのでは?」と自問自答を繰り返す。
その結果、ブリ―は意を決して、NYの留置所まで息子に会いに行った。

少年に関して、ブリ―は、警察官から「店からカエルを盗み、不審な白い粉を所持していたとの目撃証言もあり、その上、男娼として働いていた。」と聞き衝撃を受けた。
保釈金は1ドルだが、今のブリ―には、支払ってしまうと、性転換手術が受けられなくなってしまう大金だった。
初めて息子トビ―と対面したブリ―は、父と名乗る事がどうしても出来ず、教会から派遣された職員であると嘘を付いてしまった。
そして、息子を目の当たりにすると見捨てる事が出来なくなったブリ―は、教会の職員と嘘を付いたままで、
1ドルを支払って保釈の身となったトビーとレストランで食事をした。
その時、食前に祈りを捧げたりして、それらしく振る舞う。
この時、他人のフリをしたままトビーの身の上について、色々と聞いたブリ―。
出身を尋ねるとケンタキーのカリクーン(現実のカリクーンはニューヨーク州である。)と言う。
そこはブリ―の出身地でもあるので、どうやら、彼が自分の息子だという話は本当の事のようだと、彼女は心に思う。
トビ―は義理の父がいたという事までは話したが「質問攻めは勘弁してくれ。」と言うと、それ以上は口を噤ぐんだ。
でも、ブリ―が保釈金を出してくれた事には感謝していると話した。

トビ―のねぐらを訪問するブリ―。
売春もやめると言ったが、ドラッグの方は、なかなか断ち切れないでいた。
それでも彼には映画スターになるという夢があった。
それを聞いてブリ―は気前良く100ドルを、更生するための資金に差し出す。
そして、明日、ロサンゼルスへ発つと告げて、別れようとするが、トビ―も「俺も明日、ヒッチハイクでロサンゼルスへ向かうからまた会おう。」と言う。
ブリ―は、彼が今、保釈中の身である事を考慮して止めるが、
トビーは「だったら名前を変える。スタンリーと。オヤジの名前なんだ。」とブリ―の本名を持ち出し、
昔のブリ―が彼の母親と写っている写真を見せた。
色あせた写真だったが、1枚きりの写真を、そんなにも大切にしていた事を知ると、ブリ―の内面に立ちがたい何かが生まれた。
この時、トビ―の話を聞いているうちに、彼の言う映画とはポルノ映画の事である事がわかったが、メジャー映画よりも実現可能な範疇ではあっても、
それを聞かされる親の立場としては複雑な気分になった。

ブリ―はマーガレットに電話すると「彼はもう立派な大人で和解も済ませたし、手術が済んだら一緒にディズニーランドへ行く約束までしたの。」などと、少々見え透いた嘘を並べ立てた。
そして「今回の出費を、来週の手術の日までに取り戻さないとならないから明日は職場に戻るわ。」と告げたが、
マーガレットの反応が弱いので「元気にしてる?」と尋ねたところ「嘘をつかれてガッカリしてるの。」という答えが返って来た。
マーガレットに嘘を見抜かれてしまい後ろめたい気持ちになって、
自分自身でも、このまま放り出すのはいけないという意識に戻って、ブリ―はカリクーンにいる義理の父親の元へ彼を連れて行く事にした。
こうして、トビーの友達から中古車を買い取り、父親である事を隠したままで2人の珍道中が始まる。

映画 トランスアメリカ 感想


登場人物が皆、個性豊かで、とても楽しくて、
要所要所で、親子の情愛に、ホロッとさせてくれる映画。

生まれてから17歳になるまで、その存在すら知らなかった息子との対面って、どんな感じなのかわからず、他人事として見るしかないのだけど、主人公のブリ―が、さぞかし緊張したであろう事は感じ取れます。

私は最後まで、主演の人が本物の元男性のトランスジェンダーの方か、もしくは、そういう演技をしている男性だと思って視てました。
それなのに彼女は女性だった──フェリシティ・ハフマン。
この人は有名なアメリカドラマの『デスパレートな妻たち』の4人の妻の中の1人を演じていた女優さんだったそうで、私はこのドラマを視た事がなかったから知らんかったけど、このドラマのファンの人だったらすぐわかったんやろね?

声が、無理して高音を出してる男性の声に聞こえたんやけど、その真逆で、女性が無理して低音を出してたんやろか?

横長の薄い唇の形もどう見ても男性にしか見えず、
その他の仕草や態度モロモロはトランスジェンダーという存在そのものなんだよね。
メイクと演技でここまで表現してたとしたら、凄いクオリティの高さにビックリ!
(口の横幅はメイクで変えられないから元々、口は大きい人なのではないだろうか?)
メイクは基本的にそんなに濃くはないです。アイライナーとか付けまつげとか全然してなくて、ブリ―の生真面目な性格をよく表していました。

そして息子役のケヴィン・ゼガーズは超美形で、ドラマの中でも「誰に似たんやろな?」ちゅう感じでしたけど。

ブリ―が旅の途中で恋するオジサン、ホンマにエエ人やわ~。
まぁブリ―に気があったせいかもしれへんけど、それにしたって、妙な色欲は起こさず紳士的な態度を貫いたままで、一晩宿泊させてくれてたもんね。
ホンマにマジ、なかなかおれへんような、ええ人やで~。