映画 隻眼の虎 ネタバレ・あらすじ | 映画 ネタバレ・あらすじ・結末 最終回まで~ドラマもね

映画 ネタバレ・あらすじ・結末 最終回まで~ドラマもね

映画のネタバレ・あらすじ・キャストを最終回までや日本、韓国、中国、米国の映画・ドラマから面白いものを選んでネタバレ・あらすじ・感想を書いています。 

韓国映画のご紹介です。

映画 隻眼の虎 ネタバレ・あらすじ



チェ・ミンシク×大杉漣…日韓の名優が共演した作品です。

単なる猛獣狩りのスリルを描いただけではなく、男と虎の火花散る男気対決という渋い構成になっています。
そこに加えて、掛け替えのない夫婦や親子の愛情が、人間だけではなく虎の世界にも同じように在るのだという事を見せてホロッとさせてくれます。

映画 隻眼の虎 概要



2016年公開の韓国映画。
監督:パク・フンジョン
脚本:パク・フンジョン
配給:クロックワークス
主演:チェ・ミンシク
ジャンル:男気アドベンチャー
上映時間:139分

映画 隻眼の虎 ネタバレ・あらすじ



1925年。
日本帝国植民地時代の朝鮮、慶尚南道(キョンサンナム)。
この地を任され統治する日本軍元師の前園は「閣下」と呼ばれ、軍隊はもとより、雇い入れた漁師たちにも、
その絶対的権勢を振るっていた。

地元の猟師たちは、貧しく、
猟をする事でしか生計を立てる術を持たなかったが、
日本統治下の今となっては自由に猟をする事は禁じられていた。
故に皆、暮らして行くために日本軍に雇われの身となっていた。
そして昨今では、日本軍主導のもと「害獣駆除」という名目で虎狩りに従事していたのだ。

朝鮮最後の猟師と謳われながらも銃を捨てた伝説の男、チョン・マンドク(チェ・ミンシク)。
彼は、そういった世情には背を向けて、
このあたりにある智異(チリ)山奥深くで、息子と2人きりで慎ましく暮らしていた。

漁師らが何度も何度も、取り逃がしているのは、
「智異山の山の神」とも「朝鮮虎の王様」とも畏れられる隻眼の大虎であった。
これを何としてでも日本に持ち帰りたいと意欲を燃やす前園は、部下の朝鮮人リュウ少佐(チョン・ソグォン/朝鮮人でありながら日本軍将校となった人物)に、厳しく捕獲を命じる。

リュウ少佐は魂までも日本に売ったような男だった。
彼は上官の前園に認められ、自身の威信を保つためにも、隻眼の大虎の捕獲に躍起になり、漁師らに、1日も早い捕獲を急かす。

しかし…隻眼の大虎は、並みの虎とは全然違う。
体重110貫(412.5kg)、体長4m。
その上、人間も顔負けの知性と神業のような素早い動きと、強靭な肉体を持ち合わせている。
それ故に、ひとたび隻眼の大虎に遭遇すると、
誰もが腰が引けてしまい、次々と命を奪われてゆくのだった。
ましてや、季節は冬本番を迎え、山に雪が降るこれからでは、狩りは一層、難しくなる。

それでも、なんとか”ヤツ”が欲しいと望む前園は、
軍隊までも借り出して、猟師らと力を合わさせ、
いまだかつてない大規模な捕獲作戦を決行する。
猟師らにとっても、多額の賞金が出るので、危険な猟ではあるが、皆一様に”ヤツ”の捕獲を切望していた。

彼らに協力を要請されたマンドクは、頑なに断り続けたが、マンドクの知らぬ間に、16歳になる息子のソクが、軍からの給料と賞金に釣られて捕獲作戦に参加してしまう。
マンドクは、普段からソクにも厳しく猟を禁じており、ソクはしぶしぶ父の言い付けに従っていた。
しかし最近では、猟もせず薬草を探して売ってやっと食いつなぐだけの暮らしに反発を覚えていたソク。
それに、里に住む許嫁の娘が、その母親によって、自分ではなく
米屋の息子のもとへ嫁がされようとしている事を知り、
その理由が自分の家の貧しさゆえではないかと思い、金を稼いで母親を納得させたいというつもりもあった。
猟師の息子として生まれたまだ年若い少年が、希望のある将来を自分の力で掴み取ろうとするのは、無理もない事ではあった。
けれどマンドクは、自分が昔、虎を撃っていたせいで、女房が虎に殺されたのではないかというトラウマがあり、
また、虎が高値で売れるからという理由で、あまりにも日本軍が虎を乱獲し山の生態系を崩す事に賛同も出来ず、銃を捨てたのである。

その日、軍隊と猟師らが挟み撃ちにする計画で、隻眼の大虎を捕獲すべく、一同は山へと入って行った。
ソクもリュウ少佐にもらった三八式歩兵銃を持ってそれに参加した。

しかし、軍隊の兵隊たちも、漁師らも、いざ隻眼の大虎に出くわしてみると、
目にも止まらぬ速さで神出鬼没に襲いかかって来る大虎に、瞬く間に噛み殺されてしまった。
ソクは、虎の圧倒的な強さの前に腰が抜けてしまい手に持った銃も落としてしまう。
ソクの傍にいた何人かの人間を噛み殺した後、虎はソクが、もたれている太い木の幹の背後からやって来た。
そうして、その大きな顔をソクの横顔に寄せながら、どうした事か、
そのまま何もせずにソクの横を擦り抜けて行くのかと思われた。
実は、この時の大虎の行動には理由があった。
虎はソクがマンドクの息子である事を知っており、
自分が子供の頃、マンドクに母親を殺されていたが、マンドクが幼い自分達2匹の小虎は撃たず逃がしてくれた事を恩に思っており、それでソクは襲わずにいたのである。

ところが、この時、ソクの斜め後ろで俯せに倒れていた兵隊がピストルに手を伸ばし、虎を撃とうとしたので、虎はそちらに身体を向けて唸った。
その様子を見て、ソクは自分も襲われる!という恐怖感を感じ、
先ほど落とした銃を拾い再び虎に向けてしまった。
そうなると虎も黙って撃たれるわけにはいかず、ソクの持つ銃を前足で払いのけようとして、
ソクの腹部を鋭い爪で傷つけてしまったのである。

この後、この現場へ来たク猟長(チョン・マンシク)に、ソクは助けを求めるが、
ク猟長は虎を追う事しか頭になく、そのまま、その場所にソクを置き去りにする。
血だらけで置き去りにされたソクは、日が沈む頃に狼たちによって引きずられて巣穴に連れて行かれる。
だが、ここに再びあの隻眼の虎が出現し、狼らと闘い追い払い、ソクをそれ以上、傷つけぬように気を付けて、マンドクの家の前まで引きずって来た。
それを、家にソクを探しに戻って来たマンドクが見つける。

隻眼の虎はソクを助けようとしたのだが…残念ながら、あの後、狼にも噛みつかれていたソクの息は、マンドクが駆け寄った時にはもう絶えていた。

少し離れた場所に隻眼の虎が座って、その様子を見守っている。
襲いかかろうとする様子はない。

隻眼の虎の母親を撃ったのは自分だという事を覚えているマンドクはソクの死に号泣しながらも、
一方的に虎を責める事は出来なかった。
その後、成長した隻眼の虎は妻子もまた人間によって殺されている。
だが、先に手を出したのは人間側なのだから、人間が虎を恨むならば、虎もまた人間を恨むだろうとマンドクは思った。
共に家族を殺された…マンドクと隻眼の虎は全く同じ身の上なのだ。

マンドクはこの時、隻眼の虎との最後の戦いを決意するのであった。

《この後、非常に感動的でドラマチックな結末へと物語は続きます。》