映画 籠の中の乙女(R15) ネタバレ・あらすじ・感想 | 映画 ネタバレ・あらすじ・結末 最終回まで~ドラマもね

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映画のネタバレ・あらすじ・キャストを最終回までや日本、韓国、中国、米国の映画・ドラマから面白いものを選んでネタバレ・あらすじ・感想を書いています。 

映画ネタバレ~洋画のご紹介です。

映画 籠の中の乙女(R15) ネタバレ・あらすじ・感想



映画 籠の中の乙女(R15+) 概要



2009年公開のギリシャ映画。
監督:ヨルゴス・ランティモス
脚本:ヨルゴス・ランティモス/エフティミス・フィリップ
ジャンル:異色
上映時間:96分

映画 籠の中の乙女(R15) ネタバレ・あらすじ



ギリシャ郊外にある豪邸に住む両親と3人の子供たち。
子供は兄と2人の妹で、全員もう成人しており年齢は近い。

裕福に満ち足りて幸せそうな家族ではあったが、
子供たちを一切、外界とは接触させないという一般家庭とは掛け離れた両親の教育方針の下、
子供たちは、高い塀に囲まれた自宅敷地内から1歩も踏み出す事なく純粋培養で育てられてきた。

社会から隔絶するのみならず、
この家庭には、一部の言葉を本来の意味とは全く違えて教えるという奇妙なルールがあり、
外の世界の事はもちろん、書物すら知らない子供らは、教えられた内容が間違っていても、間違ったままで受け入れて覚え込んでいた。
更に、父親は、子供たちが絶対に外の世界に出て行く事がないようにと
「外には恐ろしい猫という名の猛獣がいる。」と教え込み、猫がどんなに凶暴であるかを示すために、
わざと、外の世界で猫に襲われて、死闘の末に逃げ帰って来たのだという演出までして見せていた。

そんな奇妙な家庭ではあったが、ある意味、父親の息子を思う親心なのか(?)
ある日を境に、父親が、週一回ペースで、外の世界から若い女性を一人連れて来るようになった。
女性の名はクリスティナ。
彼女に日当を支払い父親が依頼した事は、ただ長男の性的処理の相手だけである。


しかしクリスティナの出現により、3人の子供たちは性に目覚めたり、外の世界への興味を刺激されたりし始めた。
その変化に父が気付いた時には、最早収集は不能で、
一人の妹は、母親の手引きで、兄と性交するようになり、
また、もう一人の妹(長女)は、犬歯が抜ければ外に出られると教えられていたので、
突然に気持ちを高ぶらせて、鉄アレイで自分の顔を殴りつけ犬歯を抜いて、外の世界へ脱出してしまった。


映画 籠の中の乙女(R15) 感想



登場人物たちの棒読みのような台詞で綴られるシュールなだけの話では終わらなかった。

「わけのわからないこの家庭独自の教育方針」も、そこまでならまだ、正しいとか間違っているは別として、
この両親なりの意図があっての事かもしれないと考えられなくもなかった。
しかし、終盤には、ストーリーは、ノンストップで破滅的な方向へと展開し、
果ては、母親が兄妹の近親相姦を手引きまでするという破綻ぶりで、最早、教育などと呼べる代物ではなく、ただただ狂っていた。
 
ラストは、長女が父親の自家用車のトランク部分に身を潜めたまま、
その事に気付かず父親が勤め先に車で出勤し、父親の職場の駐車場に止められた車のトランクが大写しにされて、唐突に幕切れとなった。
あの娘が犬歯を抜いた血塗れのままの顔で、外の世界に出た後、どうなったか知りたいのに、こんな幕切れは酷い。
せっかく時間と予算を掛けて作った映画なんだから、何等かの結果を見せて欲しい。