佐那の悲しみ、以蔵の苦しみ…「龍馬伝」第17話 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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勝海舟の弟子になり、
咸臨丸にも乗せてもらい、
同郷でアメリカに漂流し、10年も暮らしてから帰ってきたジョン万次郎(トータス松本)にも会え…





ひたすらハイテンションの龍馬。
しかし、その一方では…





NHK 20時
「龍馬伝」第17話



主演―福山雅治
脚本―福田靖
演出―梶原登城





このドラマの中で私めのお気に入りキャラの1人である千葉佐那さま(貫地谷しほり)。





千葉道場の鬼小町と呼ばれるほど、女だてらに名うての剣術の腕を持ち、弟子入り当初、龍馬は全く歯が立ちませんでした。





ところが、龍馬が剣術も人間的にも成長するにつれ、心ひかれ一途に慕い続けるのでした。





しかし、龍馬は道場にとどまらず土佐に帰ってしまい、また江戸に来てもまた帰ってしまいの繰り返し。





父も兄も認めて応援してくれるというのに、肝心の龍馬は自分の進むべき道に夢中で、佐那のことなど二の次なのです。





それでもいつか…と待ち続けた佐那でしたが、またも江戸から海軍操練所のできる神戸に龍馬は行ってしまうと言います。
ホント女泣かせな…





志のためにひた走る龍馬を引き止めようがありません。
お別れに立ち合いをする佐那が不憫でなりませんでした。





泣くまいと強がりを言う貫地谷がなんとも良かったです!!
その凛としたたたずまい…そして、内に秘めた切ない思い…





道場に残された龍馬の名札を見上げて、それでも待ち続けると言うところは、胸がしめつけられました。





佐那という人は、ホントに独身を生涯貫いた人だそうですからね…
あの時代にそれって、いかに龍馬のことを忘れられなかったかが分かりますね。




余談ですが、佐那の墓は山梨の方にあって、今お参りする人が急増中なのだそうです。




「龍馬伝」の貫地谷効果では…と嬉しくなりました…




もう一人、明るい道が開けていく龍馬と対照的に、暗い袋小路にはまって行きつつあるのが、岡田以蔵(佐藤健)。





武市(大森南朋)に認めてもらいたくて、次々に攘夷に邪魔する者を武市の命令どおり斬り続けており…仲間からも「人斬り以蔵」と揶揄されます。





自分が殺される悪夢にうなされながらも、その行為をやめることができなくなってしまっている以蔵。





佐藤健が若いながらも、この難役を体当たりで演じています。
変にニヒルぶったりせず、ストレートに苦しむさまが、胸を打ちます。





この役を演じていくにしたがって佐藤健自体、苦しみながら演じて成長していくのが分かります。





もう一人、今回印象的だったのが、「怪物、容堂」とタイトルにもあった土佐の大殿様山内容堂役の近藤正臣。





かつては気取った二枚目役の多かったこの人も、今では白髪の役。しかし、たとえ白髪でも、まだ枯れてなくてギラギラしてる感じが実に合ってるな…と思います。





勝が海軍創設の協力要請に、龍馬の正体を隠して連れていった際も、勝が話す脱藩した男というのは、ここにいるコイツだろう…と見透かしているげな眼力。





更に、藩で実権を握りつつある武市を下士から上士に引き上げると喜ばせておいて、





上げてやるのもここまでだと、ほくそ笑むしたたかさ。武市など手のひらで転がす程度のヤツとしか思っていない冷徹さ。





政治家の怖さを見る思いでした。
ぬか喜びしている武市が哀れでしたね。





この役を近藤正臣にやらせようと考えた人は、すごいな…と感心させられた回でした。





今回の評価は…7
8でもいいぐらいですがね…
(^-^)b