前回も書きましたけど、また書かざるをえません。
とにかく、田中裕子の演技が文句なしにスゴい!!
松雪泰子の演技もいいし、
芦田愛菜ちゃんって子役もスゴいんですけど、
それを軽くぶっ飛ばしてしまうほどの演技を見せてくれています。
田中裕子を見るためだけでも、このドラマを見る価値あり!と敢えて私めは言いたいほどです。
日本テレビ 水曜22時
「MOTHER」第3話
主演―松雪泰子
脚本―坂元裕二
演出―水田伸生
田中裕子が演じているのはかつて松雪泰子演じる奈緒を捨ててしまった実の母親の葉菜。
施設から里子としてもらわれた先も知っていて、ずっと理容店を営みながら奈緒のことを陰から見守ってきたという設定。
そんな葉菜は、東京に逃げてきた奈緒と継美(芦田愛菜)をそばで見守るうち、2人と親しくなってしまいます。
近づいてはいけないとわかってはいても、ついつい近づいて継美に話しかけたり、世話をしてしまう葉菜。
そのへんの葛藤や戸惑いを、変に思わせ振りな演技はせず、田中はごくサラリと見せていきます。
そして今回の極めつけは、親しくなった奈緒が、実の母親とは知らず、自らの身の上を語る2人だけの長いシーン。
ここでの奈緒の話を聞きながらのリアクションは、もうこれは「顔芸」ともいうべき微妙な表情の変化でした!
そうして葉菜の感情の揺れ、苦しみを余すなく表現していきます。
奈緒は自分は誕生日を知らないし、母親の顔を覚えてない…といいます。
十分物心がついてから捨てられたのに、記憶の中から母親の顔を抹消してしまったんですね…
それを面と向かって聞かされる母親の気持ちと言ったら…
( ┰_┰)
母親に捨てられる直前に遊園地に行ったことは、はっきりと覚えているんです…
あの時自分が母の手を放さなければ、自分は捨てられなかったのでは…そう奈緒は思い続けてきた…って。
自分が悪い子だから虐待されるんだって思う子の心理と似てますね…
話を聞き終え、身を切られる思いで奈緒に、お母さんに会いたくはないの?とそれとなく聞く葉菜。
しかし、奈緒は会いたくない…ときっぱりと言うのです。
台所で蛇口から水を出し、それにまぎれて泣く葉菜。
こらえにこらえて聞いたあとの、抑えきれない涙。
なぜ葉菜は娘を捨てたんでしょうか?
気になりますね。
葉菜の家から出てくる奈緒を見て、血相変えて葉菜に文句を言う里親の籘子(高畑淳子)。
葉菜はもう会わないと詫び、奈緒に誕生日を教えてあげてと伝えますが、そんなこと今さら言えるわけないでしょう!!と一蹴されます。
うう…
なんて哀れな…
しかも新聞記事から継美は拐われた子だと知ってしまうんです。
末期がんで余命わずか、やっと見つけた生き甲斐だったのに…
この葉菜さんの行く末も、非常に気になります…
名乗れる時に死んでしまうんでしょうか…
田中裕子の深~い演技に、今回もやられてしまいました…
今回の評価は…
民放の春ドラマは深いドラマが少ないので、これだけはどっぷり浸かって見ています…