秀作を生み続けているＮＨＫの土曜ドラマの歴史に、また１つ傑作が残りました。
ＮＨＫ 土曜21時
「鉄の骨」最終回
主演―小池徹平
脚本―西岡琢也
演出―松浦善之助
談合の疑惑を検察に追及され自殺した長岡(志賀廣太郎)の無念のためにも、地下鉄工事の入札はガチンコでいくことに決めた尾形(陣内孝則)。
富島(小池徹平)たちは入札額を切り詰めるために奔走し、目標額に達成させます。
ところが、またも横槍が…。
族議員の城山(北村総一朗)が総裁選に出馬するため、ゼネコン各社に支援を求め義弟の三橋(中村敦夫)にまた談合をやらせることにしたのです。
工事は山関組と真屋建設に…と調整し、一谷組には銀行融資の便宜を図ってやるから手を引け、と納得させます。
松田社長(笹野高史)がそれをのんでしまっては尾形も逆らいようがありません。
もはやこれまでと決意した富島は、北原検事(小市慢太郎)に協力し、三橋との談合に関する会話を録音し渡します。
そして地下鉄工事の入札。尾形は会社の意向に逆らい、低い額で入札させます。
三橋が激怒するところへ検察が乗り込み、三橋と各社談合担当者を連行して行きます。
拘置所の尾形に面会に行く富島。尾形に退社の意思を伝えますが、俺の目の前で退社願を破れ…お前は物を造り続けろ…と諭されます。
結局、富島は現場に復帰し現場監督としてイキイキと働くというのがラスト。
談合に検察のメスは入りましたが、どこまで健全になったかはわかりません。
でも旧態然としたゼネコンと政界の癒着は若い世代によって改善されていくのでしょうね。
清々しいラストでした。
最終回も一切の緩みなく、見応えのある話でした。
中村敦夫や陣内孝則と一歩も引かず、ぶつかり合った小池徹平は称賛に値します。
まっすぐな眼差しが、とても印象的でした。
今回の評価は…
【総評】
裏路地にある目立たない外観の地味な料理屋ながら、出す料理は実にどれも美味しい…
そんなドラマでした。
主演の小池徹平とその恋人役の臼田あさ美以外は、実力重視で集められた面々で、心配したカンニング竹山まで邪魔せずしっかりと演じていました。
ひたむきにまっすぐ生きる主人公は小池にハマり役で、クセ者ぞろいの中でも決してひるまず存在感を示しました。
小池徹平のキャリアの中でも、非常に有意義な作品になったと思います。
視聴率が悪いのは残念なことですが、ホントに良いドラマを見たい人だけに見てもらえれば…
と思うようにしました。
毎度書いてますが、見そびれた方は、再放送かＤＶＤでぜひ見ていただきたいです。