ちゃんと見てるのですが、まだ1話も記事にしてない秋ドラマが3本ほどあります。
「相棒9」と「マークスの山」、そして…
テレビ東京 月曜22時
「モリのアサガオ」第2、3話
主演…伊藤淳史
脚本…羽原大介(2)旺季志ずか(3)
演出…佐々木章光(2)村上牧人(3)
第2話、第3話についてまとめて書きます。
このドラマの主人公は刑務所の中でも死刑囚ばかりがいる棟担当の新人刑務官(伊藤淳史)。
そこにはいろんな事情、いろんな犯罪で死刑囚となった男たちがいて…
彼らとふれあうことで、死刑制度というものを考えさせられるというしくみ。
特に高校で憧れていた先輩(ARATA)が、自分の親を殺した犯人を、その娘もろともに殺して死刑囚となり、その男との絆が縦軸になっています。
私めは死刑はあっていいと思っていますが、できれば本当に死ぬまで生きて罪を償う無期懲役が、もっとしっかり無期刑として執行されるべきだとも思います。
無期懲役と言いながら、早く出てきてしまうパターンが多いみたいですからね。
さて、第2話でフューチャーされた死刑囚の星山(大倉孝二)は中華料理屋の夫婦と祖母を殺した男。
その時、出前に行って難を逃れた娘は今ではがんに冒され余命が少なく、せめて生きている間に星山が今どう思っているか知りたい…ってことになります。
真面目な伊藤くんがその仲立ちをしようとしますが、ひねくれ者の星山は反省の色を見せず、悪態をつくばかり。
幼い頃のトラウマに踏み込むと、やっと心のバリアがとけ、素直に反省。娘にも生きている限りは罪を償うと手紙を書きます。
しかし、皮肉にもそんな星山に突然死刑執行が…。
最後まで抗いながら死んでいきます。
(かなり露骨な描写で…)
死刑とは人が人を殺す行為に他ならないことを見せつけられます。
大倉孝二が迫真の演技を見せました。
一方、第3話の笹野(平田満)は息子がいじめにあって自殺。いじめていた3人の生徒を殺して敵討ちをしたため死刑囚になった。
自分は死刑になるほどの罪を犯していないという思いから、再審を請求する。
確かにいじめてたヤツらは卑劣きわまりなく、殺したくなるのもわかりますが、殺した少年たちにも家族はいたわけで…
加害者の両親は、被害者の墓に詫び続けているのです。
こういう人も死刑になるんだな…というのが、第3話の感想。
情状酌量の余地はなかったんですかね…
というわけで、このドラマは見る者に「死刑とは?」という命題をつきつけてきます。
週初めの月曜の夜に見るには重苦しいテーマですが、なかなか挑戦的で、テレビ東京らしい意欲を感じます。
伊藤淳史のまっすぐさが、いつもながら良く…
塩見三省のベテラン刑務官の苦虫をかみつぶした顔が何とも良いです…
興味のある方は覚悟してご覧ください。