以前の記事にも書きましたが、今どきの高校生たちの日常にアナクロ要素を持ち込んで描くうまさが、このドラマの特色です。
今回は私めも大好きな堺正章の名曲「さらば恋人」
この曲が大変有効的に使われました。
日本テレビ 土曜21時
「Q10」第6話
主演…佐藤健
脚本…木皿泉
演出…狩山俊輔
♪いつも幸せすぎたのに~気づかない二人だった~
♪悪いのは僕の方さ、君じゃない~
そんな歌詞が今の高校生たちの心にも染みたんですね…
担任の小川(田中裕二)が口ずさんでいた「さらば恋人」を合唱会で歌うことにした生徒たち。
お金がなくて万引きまでしてしまう弟のため昼間も働くことになり学校をやめた藤丘(柄本時生)を励まそうと、生徒たちは藤丘の家の前で「さらば恋人」を歌います。
警察に通報され校長(小野武彦)が謝ってくれるのですが…
落ち込む生徒たちに「常識を破らないと伝わらないものがあるんだよ…」と慰める言葉は、脚本家木皿泉から高校生たちへのメッセージのようにも受けとれました。
相手に自分の思いを伝えるためには常識やぶりも辞さない…それが若さの特権ですからね。
今回は心をとらえるセリフが多くて、
藤丘が今までいいことなんか無かったと嘆く弟に言う
「お前が生まれた時は嬉しかった…」「雪が降ってて、将来雪合戦をしたいな…と思った…」「お前とまだ雪合戦してないじゃないか…」
悲観的な弟を励まそうとする、なんてまっすぐな兄の言葉でしょう…
あと山本(蓮佛美沙子)を好きになった久保(池松壮亮)が平太(佐藤健)に言う…
「死ぬのが本気で怖い」って言葉。
好きになったからこそ高まる生きたいという気持ち。そのまっすぐで痛烈な叫び…
池松壮亮の淡々とした中にこめる熱情に、ハッとさせられました。
他にもありましたが…長くなるので、このへんで…
今回の評価は…