真夏に見るには重すぎる…「それでも、生きてゆく」 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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うーんしょぼん
テーマが重い…。





「アイシテル~海容」を更に重くした感じ。





しかし!
期待にたがわず、クオリティーは非常に高い作品です。
ぜひご覧いただきたい!!





フジテレビ 木曜22時
「それでも、生きてゆく」第1話



主演…瑛太
脚本…坂元裕二
演出…永山耕三





とにかくキャストが全員素晴らしい!!





今回で言うなら特筆すべきは、柄本明、大竹しのぶ、そして瑛太。





この3人がまるで映画で見せるかのような、テレビドラマの枠を超えた演技を見せてくれました。





物語は…主人公洋貴(瑛太)が中学生だった15年前にさかのぼる…





母親の響子(大竹しのぶ)に妹の世話を頼まれながら、友達と遊びに行きほったらかしにした洋貴。





その間1人で凧上げしていた妹は、洋貴の友人文哉によって殺されてしまいます。





少年Aの殺人は加害者、被害者双方の家族に、重く暗い影を落とします。





被害者側の深見家では、父親の達彦(柄本明)は悲しみのあまり殺された娘の写真を焼き、また子供を産めばいいなどと口走り…





妻響子とは離婚。次男耕平(田中圭)が婿養子に行った先に響子も身を寄せている。





洋貴は妹を死なせてしまった悔いにさいなまれながら、父と暮らしている…という設定。





29歳になる今まで女性と付き合ったこともなく、至ってさえない青年である。




そんな洋貴が出会ったのが遠山双葉(満島ひかり)。実は彼女は加害者文哉の妹。




加害者の三崎家では、父駿輔(時任三郎)は妻(風吹ジュン)や娘の戸籍を抜き名字を変えさせ共に暮らしています。





加害者の文哉(風間俊介)は7年で出所。今は居場所もわかりません。





行く先々で密告ビラを配られ転々とさせられているので被害者家族の仕業では?と双葉は探りに来たのですが…





洋貴や達彦のいまだに抱える苦しみを知ることになります。





達彦はガンとわかっていながら治療をせず、加害者の行方を探り、文哉が書いた絵を保護司から見せてもらっていました。





そして、その絵を見て文哉が反省してないのを確信、保護司の葬儀に現れるはずだから殺すつもりだと言うのです。





この達彦の血を吐くような叫びは、柄本明の渾身の演技。心をわしづかみにする迫力に満ちていました。





しかし、志半ばで達彦は死んでしまいます…





母親に父の死を報告に行く洋貴。しかし、響子は顔色一つ変えず、あの時ほどの悲しみはもう私には無い…と冷たく言い放ちます。





このシーンの大竹しのぶは柄本明に比べて抑えた演技ですが、その凄みというか、泣くだけ泣いた人間の虚無感さえあらわして…





さすが大竹しのぶと敬服せざるをえない演技でした。




そして、ここから凄かったのが瑛太。
ボサボサの髪を切り…父の遺志を継いで、保護司の葬儀に現れるであろう文哉を殺そうと向かうのです。





それを知り、そこにも現れる双葉。あんた何者だといぶかしむ洋貴。





すると離れた歩道橋上に文哉の姿が…





鬼気迫る表情に一変し、包丁片手に走り寄る洋貴。「お兄ちゃん、逃げて~」と叫び洋貴にしがみつく双葉。「放せ~!!」





瑛太はこんな表情もするのか!?とドキッとするほどの凄まじさ。





文哉が逃げたあと、双葉は洋貴に正体を明かします。




皮肉な出会い、この2人が今後どうなっていくか気になるところです。





なぜ文哉は少女を殺したのか。無表情の風間俊介にも底知れないものがあり、期待がふくらみます。





視聴率は悪くても、私めはこのドラマを応援し続けます。





今回の評価は…8