それを知ってしまう家族の絶望的な悲嘆…が今回描かれました。
フジテレビ 木曜22時
「それでも、生きてゆく」第９話
主演…佐藤浩市
脚本…坂元裕二
演出…永山耕三
妹双葉(満島ひかり)を探しに深見家に現れた文哉は、響子(大竹しのぶ)に何故殺したのかと問い詰められ揉み合いに…
子供を連れて来ていた耕平(田中圭)の妻(村川絵梨)が声を聞きつけ現れたので…(遅いですけどね…やけに…)
文哉は去って行きました。だめ押しに響子が何故亜希だったの？問うと…たまたまだったという答えを残して…。
そして文哉は、家族が今住む家に現れます。
最初は継母(風吹ジュン)と下の妹(福田麻由子)…
そこへ双葉、さらに父駿輔(時任三郎)も帰って来て…。
文哉は家が狭いだの、どこに寝ればいいのか…だの、お父さんはちゃんと働いているのか…だの、
どれだけ文哉のために辛い目に家族があってきたかを考えもしない身勝手な言葉を吐き続けます。
現実でもよく聞く加害者の身勝手発言。
「誰でも良かった…」
「××のせいで自分はこうなった…」
そんな罪を犯した者の精神の未成熟さを、このドラマは容赦なく突きつけてきます…
幼い時に受けた心の傷…
文哉の場合、自分の目の前で飛び降りた母親の自殺。
母親にも見捨てられ、罪を犯したあと父親にも見捨てられた…
その喪失感からくる負のエネルギーが自分を凶行に走らせた…
文哉はそんな言い訳をするのです。
当人に代わって被害者家族にいかに罪を償えばいいか腐心している双葉や駿輔にとっては、文哉が反省していないし更正していないという現実はあまりに残酷なことでした。
そして遂に、双葉は洋貴(瑛太)が文哉を殺すために使おうとしたナイフを持ち、文哉を殺すべく文哉が逃げた先へ向かうことになります…
今回は、文哉に怒りをぶつけるところも、殺しに行く覚悟を決めるところも、満島ひかりが圧巻の演技を見せました。
あと今回で何と言っても触れなければならないのは、文哉と洋貴の格闘シーン。
獣のような声をあげながら闘うさまは、生々しく凄まじい迫力でした。
今回の評価は…
