松嶋菜々子演じるミタという無表情家政婦のキャラが回を追うごとに、クセになってくるというかハマってくる感じは、
同じこの枠で同じ脚本家が書いた菅野美穂主演の「曲げられない女」に似たところがあります。
「曲げられない女」でもあったように、そこには計算されたキャラづけのための毎回の繰り返しがあるわけです…
日本テレビ 水曜22時
「家政婦のミタ」第3話
主演…松嶋菜々子
脚本…遊川和彦
演出…佐藤東弥
雇い主の家族が頼めば、何でもやってくれるというのがお決まりで…
初回は亡くなった母親の遺品を処分してくれ…と言われれば即座に焼いてしまい…
第2話ではいじめっ子を殺してと次男が頼めば、平気で首をしめるのです。
…となれば今回は何をやらかしてくれるかと楽しみにしていると…
父親(長谷川博己)の不倫がもとで母親は自殺したことを父親が隠していたと知った長女(忽那汐里)が怒って明らかにしてと頼めば…
父親の会社で暴露ビラを配り、家では他の子供たちにもバラしてしまいます。
何か頼めば必ず言う「承知しました」というセリフが楽しみになってきました。こういうお決まりセリフができると、それは連続ドラマの妙味になります。
数多くのヒットを生んできたベテラン脚本家はそのへんをよく心得ているのです。
子供たちは家から出て行ってしまい、会社でもプロジェクトからはずされた父親が…あんたには心がないのか?とミタに問うと…
私に心などありません…と言い放ちます。
よほどの心の傷を負ったのでしょう。
遊園地で2人分の食べ物を買って1人たたずむミタに、深い悲しみを感じました。
ただ非情なだけでなく、どうしようもない父親に、末っ子のメッセージつきの折り紙を渡すあたりに、ミタの優しい心はうかがえるわけで…
そのへんのさじ加減も巧妙です。
ちょっとうざすぎてマイナスだったうらら(相武紗季)が出しゃばって来なかったのも、今回は良かったです。
次回は末っ子を誘拐するという暴挙に出るらしいミタ。
予定調和でないその行動、目が離せません。
今回の評価は…