医者が「治る」と言うこと「37歳で医者になった僕」 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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これまで気になってきた主人公の正義感ゆえの暴走…




今回も強引だな…と思う部分はありましたが…結果うまく行かなかった苦みのために、胸を打つ良質な回となっていました。





フジテレビ 火曜22時
「37歳で医者になった僕~研修医純情物語」第3話



主演…草なぎ剛
脚本…古家和尚
演出…三宅喜重





今回は末期のすい臓がん患者さん(甲本雅裕)の話。





大学病院の普通の流れから言えば、もう治らないことを伝え、ベッドの稼働率をよくするためにも系列の緩和ケアセンターへの転院を勧めるところ。





しかし、紺野(草なぎ剛)は治る可能性を探り、まずは系列以外ですい臓がんを治すのに長けた病院を探し、勧めようとします。





これだけでもかなり問題な行動なのですが…





更にすい臓がんに効くかもしれない新薬の存在を知り、それを投薬してみないか…と患者に勧めます。





まだ認可されておらず、どんな副作用が出るかもわからない新薬。





わずかな可能性に賭けてでも治してあげたい…という紺野の意気に感じ、患者さんは死にゆく準備をするより、勇気を持って生きようと決めます。





治るという根拠のない医者の言葉を信じたのに母親をがんで亡くした瑞希(水川あさみ)は紺野が患者や患者の娘にも「治る」と言ったのでは…と思い込みます。





快方に向かったかと思う矢先、患者は容態が急変し急死。紺野は「治る」とは言ってはなくて…瑞希の前で「治る」って言ってあげれば良かった…と泣きます。




患者の遺書とともに、紺野の涙ながらの後悔の弁には心を打たれました。





治らないであろう患者にどう医者が接するかの理想と現実。何が正解ということはない難しさを紺野につきつける結果となりました。




新薬を使うなら、それを研究している大学病院に転院させた方が良かったのでは…とは思いましたが、





瑞希やすず(ミムラ)、佐伯教授(松平健)、森下准教授(田辺誠一)、新見指導医(斎藤工)らをうまくからませて、まとまりのある良い構成でした。





中でも紺野の行動をあえて容認して厳しい現実を思い知らせようとする佐伯の冷徹さを、松平健が実に淡々と演じていて凄みを感じました。





今回くらいしっかり描かれていれば、紺野の理想を追いすぎる行動もまだ見られるなと思いました。





今回の評価は…7