私めがこのドラマをひいきにしている理由の一つに、ただのおふざけではすまさない辛辣さがあります。
前回の弁護士は正義か金か…っていうのを考えさせられましたが…
今回の金権政治家の弁護もいろいろ考えさせられる辛口な内容でした。
フジテレビ 火曜21時
「リーガル・ハイ」第5話
主演…堺雅人
脚本…古沢良太
演出…石川淳一
今回、古美門(堺雅人)が依頼を受けるのは大物政治家の富樫(江守徹)。
とかく金権体質で汚職の噂のある富樫は、金庫番の秘書の自殺で窮地を脱しようとしたが…
重要な証拠となるメモが出てきたり、他の秘書が証言したり…で一転して実刑の判決を受けてしまう。
そこで控訴しても勝ち目がないと弱腰の弁護団をクビにし、富樫は勝つためなら手段を選ばないと評判の古美門に依頼してくるというわけ。
ところが、引き受けても勝てるかどうか探ってから控訴期限までに返事をしたい…と古美門は依頼を保留、黛(新垣結衣)や蘭丸(田口淳之介)らと有罪判決への経緯を探り始めます。
今回は演出家の要求なのか、古美門のはじけっぷりはかなりのもので…、
報酬は小切手に好きなだけ書けと言われ、0をものすごい勢いで書いたり…
控訴期限ギリギリまで待たせて断ったらこっちにも考えがあると富樫に脅され、事務所に戻っても震えが止まらず、コーヒーをこぼしてしまったり…
細かいところまで千変万化キレキレの演技を堺雅人が見せてくれました。
それに対抗して黛役の新垣結衣も他のドラマでも経験済みの酔っぱらい演技をかわいく見せてくれました。
前回同様、クライアント側に対して黛が否定的で、弁護なんかしなくていい…って態度なのがこのドラマの特徴で、古美門といいバランスを保ってますね。
実は有罪に持ち込んだのは反富樫派の議員が三木(生瀬勝久)の顧客で、三木の秘書(小池栄子)が探りを入れ…
自殺した秘書の恋人に接近…それを地検特捜部のやり手検事(津田寛治)に知らせ…
検事は恋人を自殺に追い込んだ富樫への恨みを利用し、証拠となるメモを偽造…
それを突破口に有罪判決に持ち込んだことが分かります。
しかし、そこまで分かっていながら…
富樫は控訴を断念し刑に服すことにします。
秘書の恋人に謝り、秘書が遺した遺書に最後まで富樫を敬いそのためなら…と死んでいったと知っても…
それで改心した…なんて綺麗ごとではなく、これで検察の落ち度という切り札を手にしたから、今回はそれを使わず後々復帰後に使う…というのが、
実にしたたかな政治家らしくて良く、江守徹ならではの貫禄と不敵さで見せてくれました。
毎度おなじみの服部さん(里見浩太朗)のたしなみシリーズ、今回はなんとモンゴル相撲でした…服部さんいろんな国にいたんですね…(笑)
型を黛に見せる姿が可愛かったですね。
ポマードべったりの津田寛治演じる検事は強敵として、また今後出てきそうです。
手段を選ばない同士の法廷対決が見たいですね。
今回の評価は…