池井戸潤原作のドラマには既にWOWOWで「空飛ぶタイヤ」「下町ロケット」NHKで「鉄の骨」といった秀作がありますが、
今クール、それにTBSの「半沢直樹」とNHKのこの「七つの会議」が加わるわけですが…
同じ池井戸潤原作でも、作り方でこうも違うのかという意味で、見比べると非常に興味深いです。
「半沢直樹」がエンターテイメント性を重視した作りであるのに対し、こちらはいかにもNHK的な硬質な作りになっています。
NHK 土曜21時(第2話は21時30分~)
「七つの会議」第1、2話
主演…東山紀之
脚本…宮村優子
演出…堀切園健太郎
演出の堀切園氏は「ハゲタカ」や「外事警察」も演出した人で、映像や演出のタッチは上記2作に似ています。
ブルーがかった色調の映像で、照明を強く当てず陰影重視の映画的な画面構成。
そんな演出で、ある企業内で繰り広げらるリコール隠蔽のスキャンダルが描かれます。
主演の東山紀之が演じる原島は、顔がいいのが唯一の武器と上司から言われるようなさえない営業4課長でしたが、
やり手の営業1課長(眞島秀和)がパワハラで左遷され、後釜に。
ねじの発注先の変更を命じられますが、仕事を進めていく中で、知ってはならない事実を知ってしまうのです。
実は前任者の坂戸はノルマ達成のため、コストダウンで強度不足のねじを納入させていたのです。
第2話では社内の情報屋としてかつて活躍しながら今は苦情処理のカスタマー室という閑職に追いやられてる佐野(豊原功補)が、北川営業部長(石橋凌)や稲葉製造部長(中村育二)への恨みもあって告発するという動きに出て、更に緊迫感が増しました。
東山紀之はわざと髪に白髪を増やし、歩き方や身のこなし、メガネのかけ方などで、「少年隊のヒガシ」オーラを消して、さえないサラリーマンっぽさを出すよう努めています。
オーラの消しっぷりはなかなか見事で、スキャンダルに巻き込まれる割り切れなさや無力感や怒りといった複雑な心理がよく出ています。
脇のメンバーは渋いながらも実力派ぞろいで、特に営業部長と同期ながら実はやり手なのに万年係長に甘んじている八角役の吉田鋼太郎の存在感は、凄みがあってただ者でない感が半端ないです。
俳優と俳優の演技のせめぎあいがスリリングであと2回ですが、堪能したいと思います。
第1話、第2話共に評価は…
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