大野智の繊細な感情表現…「死神くん」第1話 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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死神という特異なキャラクターを大野智がいかに演じるかが

注目だったこのドラマ、

なるほどこう来たか~と、大野智らしい役作りでした。





テレビ朝日 金曜23時15分

「死神くん」第1話



主演…大野智

脚本…橋本裕志

演出…中田秀夫





手帳に名前が浮かんだ死亡予定者に

余命3日であると告げ、死までの間にやり残したことを

やった方がいい…とアドバイスする新米死神(大野智)。





今回の場合は顔はあまり良くなくて心美人の福子(大原櫻子)という

少女が死を宣告されてしまいます。





宣告した後も福子のそばに寄り添って、福子がやりたいことが

できるようにしていく死神くん。






じっくり時間をかけて2人のやりとりを見せる脚本で

演者の力量が問われる作りになってましたが、

新人ながら大原櫻子の演技は小細工せずのびやかなもので、

すんなり同情することができました。





その福子に対する大野智の演技ですが、

説明的なものではなく、感情をあらわにせず、

非常に繊細な表現の中で死神くんの戸惑いや同情、あわれみを描き、

死神の超然とした雰囲気を身にまとっていました。





大野智という人は、素の時も何を考えているのかつかみどころのない

ところがあるように私めには見受けられますが、





そういう彼の特性が「鍵のかかった部屋」の榎本役では、

善人なのか悪人なのか、実は何者なのかわからない不可思議さに

つながっていたし、





今回の死神くんでは人間と同じ姿をしていながら、

人間のことが分からないファンタジーの中の人物としての不可思議さを

出すことに成功しているのだと思います。





いかにもワイヤーで吊られている的な浮遊シーンは

感心しませんでしたが、ふわふわしたこの世の者ならざる感じは

大野智だから出せる雰囲気なんだろうなと感心しました。





他の人では滑稽にしか見えない危険性があります。

それを飄々とやってのけるところが大野智の強みでしょう。





桐島美玲の監死官が登場したら、急に作り物っぽくなってしまったのは

彼女が人間くさい演技だからでしょう。

難しいものです。





今回の評価は…4