スタッフにしてみれば、原作の中でこれはやりたいテーマの
1つであったろうとは想像がつくのですが…
実写化するにはハードルが高かったな…というのが
今回への感想です。
テレビ朝日 23時15分
「死神くん」第7話
主演…大野智
脚本…橋本裕志
演出…筧昌也
自分に憧れていた後輩Amiに抜かれ、落ち目のシンガーソングライターゆかり(清水くるみ)が
今回の主人公。
彼女は悪魔(菅田将睴)に魂を奪われるのも覚悟で、
自分の新曲をヒットさせたい…Amiの評判を落としたい…
と次々と願いをかなえていきます。
しかし、Amiを陥れても、実はゴーストライターに曲を書かせていて、
その彼とも亀裂が生じているゆかりは、Amiに代わってのしあがることはできません。
そんな中、Amiが死亡予定者になり、Amiはゆかりとコラボした曲を最後に作りたいと
願い、ゆかりは作ろうとしますが、ゴーストライターに作らせていたため、
思うように作れず間に合いません。
自分の才能の無さに絶望したゆかりは、Amiに代わって自分が死ぬことを望み、
死神(大野智)の制止もむなしく飛び降り自殺してしまい、Amiが生き延びることになります。
「生きていて良かった人間なんて、ほんの一握りじゃないかな~」という
悪魔の言葉に集約されるようない「生と死」について考えさせる話ではありました。
生きたいと願う人間を死なせ、死にたいと願う人間を生きさせるなんて
死神のやっていることは勝手だろう…と
死神が悪魔につきつける言葉に苦悩する死神という部分を描きたかった…というのは
よくわかりましたが、
それにしては、ゆかりとAmiを演じた女優さんの力量が欠けていたのは残念でした。
脚本のミスでもありますが、私めにはゆかりが死にたくなる絶望の深さが、
あまり伝わらず衝動的にしか見えませんでした。
これまでゲストの演技力が作品を良質のものにしてきたドラマだけに、
今回のキャスティングには不満が残りました。
歌声に泣けるまでには至らなかったのです。
演技はまだしも、せめて歌では泣かせて欲しかった…
そう思います。
苦渋に満ちた大野智の表情は相変わらず良かったし、
菅田将睴の死神の痛いところをつく台詞も良かっただけに、
残念でなりません。
それだけ映像化は難しい回だったということかもしれません。
魅力的なテーマではあるのですが…
今回の評価は…