お手本のような第1回…「おやじの背中」 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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こういうものを脚本家と俳優を毎回変えてオムニバスで見せていきますよ…というのを示す上で、

今回はお手本のような回だったと思います。






TBS 日曜21時
「おやじの背中」第1回

「圭さんと瞳子さん」

主演…田村正和、松たか子
脚本…岡田惠和
演出…山室大輔





あ~、1話完結の頃の「日曜劇場」ってこういう感じだったな~と、私めのようなオールドファンには懐かしく、






かつてはこのように良質の脚本、演出、キャストで丁寧に作られたドラマをじっくりと見たもんだよなと思わずにはいられませんでした。






若い方にはテンポが遅い…とか、テーマが古くさい…とか思われた方もいらっしゃるでしょう。





父親と娘が結婚を機に…というのは小津安二郎から変わらぬテーマですからね。






ただ最近、こういったドラマがないだけに、逆に新鮮でもありました。







タイトルにあるようにお互いを「圭さん」「瞳子さん」とさんづけで呼び合う父親と娘。
なぜ彼らはそう呼び合い、なぜ仲が良いのかが、次第に明かされていくのですが、






そのジワジワと明かしていく展開が、脚本岡田惠和の腕の見せどころで、
説明的なセリフを使わず、ニュアンス豊かに描くあたりに、脚本家としての円熟ぶりを示しました。






娘を気遣う父親を田村正和は味わい深く演じ、

母親を目の前で事故でうしなってからトラウマで

夜1人ではいられなくなった娘を、松たか子は抑えた中でも真に迫って演じ、

どちらも文句のつけようのない好演でした。





しみじみと余韻の残るラストも爽やかで、

いいものを見たなという快い満足に包まれました。






このような作品が今後も続いて欲しいと思います。

次回は坂元裕二脚本で父娘に役所広司と満島ひかり。

坂元らしいエッジのきいたものになりそうです。






今回の評価は…4