やはりこれぞハマリ役…「HERO」第1話 | 連ドラについてじっくり語るブログ

連ドラについてじっくり語るブログ

連続ドラマでこれは面白いという作品のみをマメにチェック!

その内容紹介、批評、さらにヒット分析など、あらゆる情報を連ドラ好きの方々のために提供するブログです。

よく「ハマリ役」という表現をこのブログの記事でも使いますが、

なかなかこの役はこの人以外考えられない…ってほどの「ハマリ役」というのは

あるものではありません。






渥美清の寅さんなどはその最たる例ですが、

このドラマの木村拓哉演じる久利生もその域に達しているな…と

今回見て思いました。





フジテレビ 月曜21時

「HERO」第1話



主演…木村拓哉

脚本…福田靖

演出…鈴木雅之





大スターと呼ばれる人にはありがちなことですが、

その人の個性がその人のスター性につながっているために、





演じる役に役者が合わせるというより、

自分に合った役を演じてより輝く…というのが成功パターンなんです。





木村拓哉という人も何をやっても「キムタク」というイメージがついてまわるのは

いたしかたないことなのだと私めは思っています。





そういう意味で「HERO」の久利生という役は、

さまざま木村が演じてきた役の中でも、

役と演者がすんなり同化しているハマリ役なのです。






見る前は41歳になったキムタクが13年前の20代の頃と同じに演じて大丈夫なのか?

年齢相応に変えた方がいいのでは?と心配したのですが、






いざ見てみたら、その懸念は気にしすぎだということが分かりました。

41歳でも久利生は久利生のまま、変わらぬ良さを見せたのです。

これぞスター役者だからこそなせるわざとも言えるでしょう。






常に自然体で気負いも先入観もなく事件と向き合う…

細かいところに粘り強くこだわり、真相に迫る…

秘めた正義感は揺ぎなく強い…





そんな久利生という役のキャラクターを脚本も演出も実に巧みに

ストーリーの中に組み込んでいるために、





キムタクドラマの失敗例でありがちの、

キムタクだけが妙に浮いてしまう…ということが無いのです。





それと「HERO」というドラマがよくできたドラマだと今回改めて感心したのは、

群像劇として非常によくできていて、その中に久利生という主人公を

うまくとけこませているという点にあります。





支部長(松重豊)と検事たち(杉本哲太、吉田羊、濱田岳)と

事務官たち(小日向文世、八嶋智人、正名僕蔵)のキャラがそれぞれしっかり描かれ、

彼らがちゃんと役割を果たしていく運びのうまさ、





今回でいえば足の遅い末次(小日向文世)の最後に見せる活躍など…

そのあたりの目配りもこのドラマの優れた点なのです。






もう1つの懸念だった松たか子演じる雨宮の不在も、

北川景子演じる麻木は彼女の良さを引き出した役柄になっていて…

(さりげなく雨宮のその後が語られるという「HERO」ファンへのサービスもあり)





心配するほどではなかった…というのが正直なところです。




音の使い方、小部屋と真ん中の共同スペースをうまく使った演出と

画作り、など前作を忠実に踏襲したこだわりにも、スタッフのこの作品への

強い愛情を感じました。






「ショムニ」のようにがっかりせず、ホッとしました。

今回の評価は…4






児玉清の写真での出演も次席検事のファンだった私めには嬉しかったです。