私め実は大学の卒論のテーマが山田太一だったんです。
なので、山田太一に関しては思い入れがあるわけですが…
今回の脚本は良くも悪くも山田太一だったな、というのが素直な感想です。
TBS 日曜21時
「おやじの背中」第7回
「よろしくな、息子」
主演…渡辺謙、東出昌大
脚本…山田太一
演出…清弘誠
今回は偏屈な靴職人の浩司(渡辺謙)が知人の紹介でお見合い。
その相手の泰子(余貴美子)には一旦断られるものの、
息子の祐介(東出昌大)のバイト先にこっそり見に行き…って話。
まあこの主人公の浩司が泰子にも自分の考えをしゃべるしゃべる…
泰子とまた会うシーンなどはその最たるもので、
セリフがまさに山田太一調。こんなしゃべり方する人いないって…とも思えるけど
それを強引に貫くスタイルは昔から変わらなくて、この脚本家としての個性の強さは
最近の脚本家にはないですね。今となっては貴重ではあります。
聞く方はただ「はい…」「はい…」を繰り返すだけ。
なかなか演者の力量が問われます。
そういう意味で、余貴美子も渡辺謙も申し分ないのですが、
東出昌大は…ちょっとね~
あれ?この人ってこんな声だったっけ?と思ってしまい、
あとあんなにしっかりした青年が母親を「ママ」って呼ぶかな?
と、どうもミスキャストだったなとしか思えませんでした。
冒頭のコンビ二でのおばさん強盗(柴田理恵)のあしらいぶりは
良かったんですけどね。
今回の評価は…