シリーズが進むごとにスケールアップして、遂に舞台は医学界の頂点とも言うべき国立高度医療センターに。
キャスティングも設定も豪華になっていく一方で、第1シリーズのギスギスした大門の異物感が薄れているのもまた事実。
安定した面白さは予定調和的でもあり、どこかに物足りなさを感じつつも、流れに身を任せ楽しめてもしまう…そんな作品です。
テレビ朝日 木曜21時
「ドクターX~外科医・大門未知子~」第1話
主演…米倉涼子
脚本…林誠人
演出…田村直己
総長の黒部(中尾彬)が東帝大学勢力と西京大学勢力を競わせ、どちらにも味方せず、ワイロを双方から吸い上げるという…あこぎなことをしている国立高度医療センター。
中尾彬がコッテリとイヤなヤツを演じていて今後が楽しみだったのに、
あっさり初回でお払い箱。代わって改革派の天堂(北大路欣也)理事が総長になります。
善人か悪人かがファジーな天堂、こういう役は今や北大路欣也の真骨頂です。重厚感が半端ありません。
中尾彬と並んでキャラの濃さ全開だったのが、帝国医科大を追い出され、西京大学病院長にもぐりこんで復権した蛭間(西田敏行)。
急にあやしい関西弁を使い始め、露骨なワイロ攻勢。えげつなさがたまりません。
このドラマは、やはり敵役がしっかり存在し憎々しくいてくれないと、大門の活躍が映えないわけで、西田敏行の活躍には期待したいところです。
その部下たちのダンゴ三兄弟(伊武雅刀、マキタスポーツ、TKO木下)がどうも迫力不足ですからね。
御意と言ってもらえる立場になっているのに、どうも小物感たっぷりの海老名(遠藤憲一)は相変わらずいい味を出しています。
医療免許がなくてもできることは一切「いたしません!」という大門の潔く、組織におもねらない態度。
大抵の人は職場でそんなこと宣言できないわけで、できないことを言ってくれる痛快さが、このドラマの人気の理由でしょう。
しかし、ギャラを神原所長(岸部一徳)にネコババされてる大門のお人好しさには呆れるばかりです。
視聴者の求めるツボをしっかりおさえた脚本、演出、キャストの演技。
横綱白鵬の相撲のように安定感抜群です。
今回の評価は…
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