今回は笑えなくなってCAをやめたムムム(ミムラ)と亡くなった一樹(星野源)との生前の交流にからめた話でした。
人が人をおもいやる…という行為の美しさがここまで描かれたドラマってなかなか無いですね。
ホント殺伐とした話題の多い現代だからこそ、こんな人たちもいるんだよという寓話的な世界が
とても心にしみいります。
NHK BSプレミアム 日曜22時
「昨夜のカレー、明日のパン」第2話
主演…仲里依紗
脚本…木皿泉
演出…阿部雅和
幼い頃、ムムムは医者になりたい一樹少年の助手として
手術ごっこをよくやっていたようで…
失敗しがちのムムムに一樹は
「僕が見てるから大丈夫。ずっと見てるから…」と
いつも言ってくれていたのですね…。
今回奇しくも、テツコ(仲里依紗)からもギフ(鹿賀丈史)からも
ムムムは一樹にかつて言われたように「大丈夫…」と言ってもらうのです。
テツコにはムムムにあるべき場所はきっとあるよ…と勇気づけられ、
ギフにはどこかに隠れている時期があったっていいんじゃないですか…と励まされる。
そうしてパワーをもらったムムムは、ギフに自分がかつて一樹にあげた
雪だるまの人形を形見にくださいと頼みます。
懸命に探してもなかなかなかったんですが、岩井さん(溝端淳平)のまさかのナイスジョブで
見つけ出し、ムムムに渡します。
それをムムムは可愛がっていた後輩のCAに渡し、フライトの時はいつも持っていて欲しいと頼みます。
そして、フライトの時間にギフを呼び出し、
ギフに一樹くんは空の上から見守ってくれていますよ…と言ってあげるのです。
心の傷を癒しあうこのくだりは、心しめつけられ、そしてほんわかする素敵なシーンでした。
今回はムムムの他にも、産婦人科医なのに顔面神経痛でニヤニヤ笑った顔になってしまい、
産婦人科医をやめてしまったサカイくん(福士誠治)や、一樹の乗っていた車を譲ってもらい
いまだに乗っている虎尾(賀来賢人)といった新キャラも出てきました。
いずれも愛すべきキャラで作者の優しい目線が彼らに注がれています。
岩井さんの背中の「大吉」のエピソードも切ないよい話でした。
エンディングの「M」が流れてから、一樹とテツコが仲よさそうにしているのを
傍らから見ていた岩井さんが映ったときは、その頃から密かにテツコを好きだったんだな…と
岩井さんがぐっと肩入れできるキャラになりました。
エンディングバックに流れる映像が、このドラマはさらに感動を深めてくれます。
今回も、アジフライも赤飯も美味しそうでした。
毎回、どんな食べ物が出てくるか、それも楽しみになっています。
今回の評価は…