3組の男女のいたわり合い…「昨夜のカレー、明日のパン」 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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登場人物がそれぞれ心に傷を持っていて

相手の痛みを理解できるがために、

力づけようとする…そんな会話がこのドラマには散りばめられています。





今回は3組の男女の間でそんないたわり合う会話がありました。






NHK BSプレミアム 日曜22時

「昨夜のカレー、明日のパン」 第3話


主演…仲里依紗

脚本…木皿泉

演出…佐々木詳太






3組の男女とは…


テツコ(仲里依紗)と彼女と結婚したい同僚の岩井さん(溝端淳平)


笑えなくなってCAをやめたムムムこと宝(ミムラ)と、

顔面神経痛でヘラヘラした顔になり産婦人科医をやめたサカイ君(福士誠治)


お隣の夫婦がテニスを始めたのが羨ましいギフ(鹿賀丈史)と

テツコの会社の先輩で趣味が登山の山ガール(吉田羊)





中でも心に残ったのが…

惣菜屋を始めることにしたサカイ君が、その物件を見に行くのに宝を誘い、

一緒に惣菜屋をやらないかと誘う時の言葉…



「誰も見てないんじゃないかな。

 人のことなんか気にしてないって。

 好かれようとか、うまくやろうとか、もういいんだよ。

 自分のできることだけを精一杯、毎日やっていく…」





いい言葉ですね。

私めもそういう気持ちでやってきた部分がありますし、




会社での人間関係に押しつぶされそうな家内に

そんなアドバイスをしたこともありました。

(その後、家内は専業主婦になりましたけど…)





自分が思うほど、他人は自分のことなんか見ていないんだ…

そう思うと気持ちが楽になることってありますよね。





特に、それで傷ついてきたサカイ君だからこそ、

それを苦しみながら乗り越えてきて、

宝を勇気づけるまでになったんだなと思います。





福士誠治の演技がこの一連のくだり、すばらしかったですね。

エンディングにサカイ君がやけになって荒れてた頃の映像が流れた時には

ハッとしました。





ここまで脚本の指定があってのエンディングなのかもしれませんが、

このドラマのエンディングはその回のストーリーと密接につながっていて、

感動的な余韻を深めるものになっています。

すごい手法だなと思っています。






他の2組もテツコと岩井さんのエレベーターの中でのやりとりも良かったし、

ギフと山ガールとのやりとりでもそうですが、さりげなく生死について語られる奥深さが

このドラマの魅力です。





木皿泉の死生観が随所に盛り込まれている…それも押し付けがましくなく…

毎回、いろんなことを考えさせられるドラマです。





今回の評価は…4