心のよりどころと居場所…「昨夜のカレー、明日のパン」 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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今回はさまざまなキャラクターのエピソードが絡み合う回でしたが、





見終えて咀嚼して考えたところ、「心のよりどころを手放す人々」と「自分の居場所を改めて知る人々」が描かれていたことが分かりました。






NHK BSプレミアム 日曜22時
「昨夜のカレー、明日のパン」第6話

主演…仲里依紗
脚本…木皿泉
演出…茂原雄二





まずメインとも思えるほどのウエイトがあったのは、ギフ(鹿賀丈史)をめぐる書道教室仲間の「女狐」富士子(毬谷友子)と、歯科をやめて身を寄せに来る「野良犬」朝子(片桐はいり)の争い。





ギフの亡き夕子(美保純)から言われた言葉でその争いはおさまるんですが、





おかげでギフは心のよりどころにしていてヘソクリを失ってしまうのでした。





まぁ、それはコミカルパートでしたが、テツコ(仲里依紗)はずっと持ち続けていた一樹(星野源)の骨を、お墓の骨壺におさめに行くことでした。





一緒に行くのは一樹のいとこで一樹の乗っていた車を譲ってもらい、いまだに手放さず乗っている虎尾(賀来賢人)。





お経をあげてもらうために正座できずに坊主をやめた深津(趙眠和)も同行してもらってのミニ旅行。





テツコと虎尾の思いが随所で語られ、この部分だけでもちょっとしたロードムービーのような趣がありました。





虎尾の今日のために自分はこの車を持ってたんだな…という言葉が印象的でした。






そんな心のよりどころを失った3人の話にからめて、自分の居場所を知る人々のエピソードも、どれもしみじみとイイ話でした。





一樹からテツコへ伝わった絵のおかげで笑顔を取り戻した宝(ミムラ)は町に住む人たちにとってかけがえのない惣菜屋さんになる決意を…





実家の料理屋で働くことに嫌気がさし、弟を訪ねてきた岩井さん(溝端淳平)の双子の兄は、弟がこの街で愛されているのを知り、





惣菜屋の三人にも力づけられ、やはり自分は自分の居場所で生きていく…と弟にあわず帰っていき、





歯科をやめようと思っていた朝子は、クリニックに戻ると患者たちの貼り紙を見て、続けて行く決意をします。





これだけのエピソードをさばいてみせる脚本の木皿泉の構成力には頭が下がります。





人物1人1人への優しい目配りは素晴らしいの一語です。






このドラマを見た翌日、わが家はカレーでした。






今回の評価は…4












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