このドラマ、初回は14%という現在のフジテレビとしては上出来な視聴率でスタートしましたが、
初回見ての感想は、おそらく初回を見てかなりの数の視聴者が離れるだろうなというのが一番の感想です。なぜなら…
フジテレビ 火曜22時(初回は21時からの2時間スペシャル)
「銭の戦争」第1話
主演…草なぎ剛
脚本…後藤法子
演出…三宅喜重
まず初回2時間もやることが得策だったかどうか、視聴率的には22時のまたぎがあって良かったのかもしれませんが、
これでもかこれでもかと主人公が追い込まれていくプロセスを見るのは、かなり辟易としてしまうものでした。
前クールの「Nのために」の初回もそういうところはありましたが、一番違うところは「Nのために」の場合、ヒロインの希美に同情できたし、応援したくもなったのですが、このドラマの場合その感情がわきにくかったのです。
東大卒で外資系のエリート証券マンの富生(草なぎ剛)は化学工場を経営する父親(志賀廣太郎)が借金に借金を重ねた末に失踪して自殺。連帯保証人の富生はその借金をかぶることになり…
心労で母親(木野花)は倒れ、会社にまで取立ての電話が来て会社はクビに…
更にファイナンス会長(ジュディ・オング)の孫娘である婚約者(木村文乃)とは手切れ金欲しさに別れることにし、母親の治療費にしたかったその金も、ヤクザに奪われてしまうという踏んだり蹴ったり状態。
しかし、そもそも借金作って自殺してしまう父親があまりに身勝手だし、それを止められなかった母親も、自分も傍観していながら兄ばかりを責める弟(玉森裕太)も、どうも同情しにくいというか…
これから金を作って金で奪われたものを取り返してやる…と言われても、
いったい誰に復讐するんだろうという感じで…
どうも赤松(渡部篤郎)という金融業者が追い込んだみたいですが、赤松のところだけではないわけだし、
どうもスカッとした復讐劇にはなりそうにないな…としか思えません。
大学の後輩で邪険にされたのを恨みに思うIT長者が、金を貸して欲しいと懇願する富生に自分が吐いたゲロを食べたら貸してやる…なんてシーンは、いかにも韓国ドラマとかにはありそうなエグいシーンでしたが、
日本のドラマでは嫌悪感しか与えないシーンでしかなく、そういう描き方が視聴者の離れる原因にもなるだろうなと思いながら見ていました。
視聴率的には好スタートですが、内容的には不安なスタートと言うしかありません。
あと、駄目押しはラストに流れるSMAPが歌う主題歌。
それまでのドラマの世界をぶち壊すような中居くんのソロから始まる歌には…絶句。
いい加減、SMAPが出たらSMAPの歌う主題歌、嵐が出たら嵐の歌う主題歌というのはやめませんか?
「HERO」はそうではなかったのに、なんで今さらです。
SMAPの歌う曲で合うドラマなら良いですが、そこはちゃんと考えるべきでしょう。
今回の評価は…