主演の山下智久が「自分としてもチャレンジとなる役柄」と言っているように、山下の演技者としての真価が問われる作品になりそうです。
10日スタート
TBS 金曜22時
「アルジャーノンに花束を」
主演…山下智久
脚本…池田奈津子
脚本監修…野島伸司
演出…吉田健、酒井聖博、松田礼人
主題歌…「ローズ」 ベッド・ミドラー
脚本…野島伸司、演出…吉田健といえばかつてこの金曜22時枠で、「高校教師」「人間・失格」「未成年」「聖者の行進」といった野島伸司全盛期とも言える頃の名作を共に生み出したコンビ。
監修に退いてはいるものの、再びタッグを組んで2人が選んだ題材がダニエル・キイスの名作「アルジャーノンに花束を」。
今から59年も前に書かれたこの名作はたびたび映画化もされていて、日本でも2002年にユースケ・サンタマリア主演・岡田恵和脚本でドラマ化されてもいる作品です。
それをまたあえてリメイクするというのはどういうことなのか?
その意図はつかみかねますが、山下智久にこの役をやらせたかったということなんでしょうかね。
6歳児並みの知能のまま成長した青年が手術によって天才的な知能を手に入れたことで味わう喜び、苦しみをどう表現するか、なかなかの難役です。
山下智久は「コード・ブルー」や「クロサギ」のようにあまりしゃべらない役の方が合っていると思うので、知能障害の青年のしゃべり方をどう見せるかとか、難題だと思われます。
山下を取り巻く脇の役には…
知的能力を向上させる研究者で主人公咲人に心惹かれていく望月に栗山千明。
その上司で被験者の咲人にねじれた愛情を注ぐ蜂須賀に石丸幹二。
咲人が働く花の配送センターの同僚で詐欺罪で逮捕された過去を持つ柳川に窪田正孝。
同じく同僚で母を守るため父親を殺しかけた過去を持つ檜山に工藤阿須加。
配送センターの社長で咲人の父親的な存在の竹部に萩原聖人。
咲人の死んだ父親にいしだ壱成、咲人に冷淡な母親に草刈民代。
…といったメンバー。
シビアな内容のドラマを演じるにはふさわしいメンバーではあります。
あと懐かしいのは主題歌がベッド・ミドラーの「ローズ」であること。
かつて「人間・失格」ではサイモン&ガーファンクル、「未成年」ではカーペンターズの名曲を主題歌にした野島・吉田コンビらしいチョイスだな…と思いました。
視聴率ですが内容がシビアであるのと、暗いものになりそうですから、8~9%と苦戦するではと予想します。