医療ドラマはこれまで連ドラ史に残る傑作が数多いので、それだけ視聴者の目も肥えていてハードルの高いジャンルです。
いい加減に作られていたり、主人公に魅力がないとそっぽを向かれてしまいます。
その点、この作品は原作コミックの良さをいかしつつ、脚本や演出、キャストが医療現場をじっくりと研究し、リアルなものにしようという努力が感じられ、秀作になる可能性の高い本格的医療ドラマです。
TBS 金曜22時
「コウノドリ」第1話
主演…綾野剛
脚本…山本むつみ
演出…土井裕泰
このドラマは周産期医療センターが舞台で、そこには産婦人科と産まれてからの新生児科があります。
赤ちゃんとそれを産む母親にまつわるエピソードと、それに医師や助産師、看護師がいかに向き合うかが描かれるわけですが…
初回からして、いきなり重いテーマをぶつけてきてスタッフの本気度がわかる仕上がりでした。
役作りにこだわりを見せる綾野剛は、冒頭の未受診妊婦の受け入れから手術にかけてのシーンで、柔らかな口調と無駄のない指示と手際のよさで、優れた産婦人科医である主人公を印象づけました。
かなり実際の産婦人科医を見て研究したなという感じが受け取れます。
綾野剛のみならず、ベテラン助産師役の吉田羊も、主人公サクラの同期でクールな産婦人科医役の星野源も、新生児科の部長役の大森南朋も、それぞれプロフェッショナルさを感じさせる演技で、
母子のために結束するチームワークの良さを初回からしっかり見せていたのには感心しました。
脚本も演出もきめ細かく丁寧になされているからでもありますが…。
まだ未熟な研修医役の松岡茉優の明るさが、とかく重苦しくなりがちな中で、和みになっていくことでしょう。
崖っぷちに立たされた母子を彼らがどう救っていくのか今後が楽しみです。
途中から出てくるのかと思った小栗旬がいきなり登場、事故にあった妻の母体かお腹の子かどちらを助けるか?という重いテーマのようです。
次回も楽しみですね。
今回の評価は…