しかし、話自体の面白さで随所に気になるところはあるもののグイグイと最後まで見せられてしまいました。
きっとこの先もこんな感じなんでしょうね。
ＴＢＳ 日曜21時
「下町ロケット」第1話
主演…阿部寛
脚本…八津弘幸
演出…福澤克雄
しかし、まあ奇抜ともいえるキャスティングですよね。次々にえ～この人？ってキャストが登場するので面食らうことの連続でした。
不思議と役に合っている人もいれば、ちょっとどうかな…という人もいました。
以下、列挙すると…
まず出て来たのが取引先の調達部長のルー大柴。
更に取引銀行の融資課長の春風亭昇太。
支店長の東国原英夫。
いずれもなんでこの人たちなの？って面食らうキャスティングですが、彼らを演出の福澤克雄は、顔のドアップで撮るんです。
すると彼らの顔が実に小ずるく憎々しく映るんですね。なるほど顔で選んでるなと思いました。
今回は善人の経理部長役で出ている立川談春も「ルーズヴェルト・ゲーム」では憎々しい面構えでしたからね。
帝国重工のやたら眼力のある杉良太郎の藤間社長。
日本初の純国産ロケット成功をめざすやたらダンディーな吉川晃司の財前部長。
財前にプレッシャーをかけまくる木下ほうかの水原本部長。
この3人が画面に生み出す緊張感は尋常ではありません。
特に杉良太郎、やはり凄い！黙っていても威圧感が半端ないです。
佃を訴えるナカシマ精機の法務マネージャーの橋本さとしとその顧問弁護士の池畑慎之介の胡散臭さもなかなかのものですが、ちょっと池畑慎之介は怪物っぼさが過ぎますね。面白いキャスティングですが…。
感心したのは佃を救う側の神谷弁護士役の恵俊彰。
変に気負って演じようとしないナチュラルな演技が光っていました。
年令を重ねてこの人のアクの強さが減ったようで、いい面構えになったなと感心しました。
重要な役ですからホッとしました。
さて、肝心の主演の阿部寛ですが、研究者出身で経営者としては心もとない頼りなさが足りないというのが初回を見た印象でした。
どうしても大柄で押し出しがきくので、何とかしてくれそうに見えるんですよね。
WOWOW版の三上博史には研究者の一途なピュアさがありましたが、このスタッフの作り方だと、阿部寛の熱血漢ぶりの方がふさわしいのでしょう。
安田顕の技術開発部長はいい片腕ぶりを見せていて好助演です。
立川談春の経理部長は複雑な役ですから、演技経験の少ない彼には手に余る役です。
頑張ってますが、あの泣きの演技は…。
いろいろありますが、見ごたえある力作です。
今回の評価は…
