中学生の母親の涙…「コウノドリ」第5話 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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いや~今回はこちらの予想をいい意味で裏切ってくれる、毎回優れているこのドラマの中でも、1、2を争う出来の回でしたね。






TBS 金曜22時

「コウノドリ」 第5話


主演…綾野剛

脚本…山本むつみ

演出…土井裕泰






出産をテーマにしているなら、きっとそういう回もあるだろうと予期していた、母親としては幼すぎる中学生の出産。






その場合は、まだ親としての自覚のない本人たちや、認めたがらない親たちの葛藤やらを描くんだろうな…と思っていましたが、







それだけではなくそこに特別養子縁組という制度を盛り込んだり、サクラ(綾野剛)がどのように産まれ、どのように育てられ、なぜ産科医になったのかも説明する…というところまで描いてしまう…というところに、







正直驚きましたし、やはりこのドラマが非凡ではない優れたドラマであると再認識しました。







妊娠していても気付かないままで来てしまい、妊娠を知らされても実感のない中学生の玲奈(山口まゆ)。

しかし、赤ちゃんの父親である亮(望月歩)とは既に別れていて、玲奈は母子家庭で育てる財力も無いし、

亮は県会議員の息子で世間体を気にして内密に養護施設へ預けてしまえという態度。






親の事情ばかりで本人たちはどう考えるのかを、ちゃんと向き合って話した方がいいと、サクラ(綾野剛)は提案します。






今回は玲奈役の山口まゆ(→「アイムホーム」で木村拓哉の前妻との娘を好演)と亮役の望月歩(→「マザーゲーム」で檀れいの引きこもりの長男役を好演)がいずれもナチュラルないい演技をしていて、







自覚のなかった彼らが、せっかく赤ちゃんへの親心が芽生えたのに、赤ちゃんが産まれるなり里親に渡されてしまうという悲しみが痛いほど伝わりました。







サクラたち病院側が変に同情的にならず、あえて淡々と段取りを進めていくさまが非常にリアルで、だからこそ幼い二人の悲劇がくっきりと浮かび上がりました。







ここでも泣けたのですが、メインのエピソードよりもっと泣けたのはサクラが自分の育った乳児院を訪れたくだりで、







3歳になったサクラが養護施設に引き取られていく時、見送ってあげられなかった加賀美(浅茅陽子)が、

乳児院から帰っていくサクラに今度はちゃんと別れを告げ、励ます…というシーンで、もう涙でした。








サクラの母親はサクラを妊娠中にガンが分かり、ガンを治すより産むことを選んで死んでいったという話も、悲しい話でした。

だからこそ、自分は赤ちゃんも母親も誰も死なさない産科医になろうと思った…という動機に打たれました。






今は銭ゲバっぽい大澤院長(浅野和之)も実はそのときサクラを取り上げた産科医だったんですね。






養子に貰われていった赤ちゃんがサクラのように、立派な大人になってくれたらいいなと思わずにはいられませんでした。







そして、玲奈も亮もしっかりした親になってくれると信じたい思いにかられました。

こういう希望が持てる終わり方をするのが、このドラマの良さでもあります。







今回の評価は…4