坂元裕二の脚本作品はどうしても好みが分かれるんですが、この枠でやると特にいつもの月9になじんでいる視聴者には抵抗や嫌悪感を与えるでしょうね。
それは始まる前から懸念していたことですが、やはりそういう作品になってましたし、しかもかなり強引で無理を感じる部分も多々あり、坂元脚本ファンの私めでも気になるところが多く見られて感動につながりにくいところはありました。
それを払拭する良いシーンや台詞ももちろんありはしたんですがね。
フジテレビ 月曜21時~22時09分
「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」 第1話
主演…有村架純、高良健吾
脚本…坂元裕二
演出…並木道子
こういった恋愛ドラマではヒーローとヒロインをどう出会わせるかというのが1つのポイントですが、
このドラマでは練(高良健吾)の部屋に旅先から転がり込んできた友人(坂口健太郎)が置き引きしたバッグの中に大事な手紙も入っていて…それを持ち主のもとへ届けに行きそこで出会うというもの…
最初、私めは練は仕事のついでで北海道に行ったのかと思ったら、違ったんですね。
運送会社に勤める練は積荷を載せたまま北海道まで会社のトラックを走らせて行ったのでした。
おいおいガソリン代とかフェリー代とかどうすんだよ…と後でそれが気になって…
練もいろいろ事情があって東京で精一杯働いているようですが、ヒロインの音(有村架純)はもっと酷い状況にあり、
シングルマザーの母親が死んだ後、引き取られた養父(柄本明)に、金持ちの男(安田顕)に無理に嫁がされそうになっているのでした。
柄本明がゲスなオヤジを好演していて、安田顕もイヤ~な感じ全開で、ヒロインの追い込まれ具合を盛り上げていました。
そんなところへ練が手紙を持って現れたわけで、二人でファミレスで交わす会話は作為を感じるものの、音の東京へのピュアな憧れをうまく描き出していて、二人に引き込まれるものがありました。
とはいえ、いくら狭い田舎とはいえ、偶然に会いすぎで、そこに眼をつぶらないと乗っかれない展開でした。
東京へ逃げるトラックの中で音が改めて読む、亡き母の死ぬ間際に書き残した手紙は、感動的な内容でそこはグッときましたね。
母親の声をわざわざ満島ひかりに読ませているあたりに気合の入れようを感じました。
有村も高良も今どきまだこんな若者っているのかな…と思えるくらいのピュアさで、この二人の今後は気になるところです。
それにしても、着のみきのままで来てしまった音を東京の町なかで置き去りにしてしまう…って、いくら旧友に会ったからとはいえ、それはないよな~とまた感動がさめてしまいました。
坂元裕二の脚本の強引さに翻弄された初回という感じです。
あまり気にせず見るようにしないといけないのかもしれませんね。
今回の評価は…良さと悪さを相殺して…
いずれにせよ、私めの好きなタイプのドラマではあるので応援していきたいです。
視聴率は厳しそうですから。