この「真田丸」の魅力の1つは、これまで大河ドラマで散々描かれてきた秀吉(小日向文世)を、これまでにない複雑なキャラクターとして描いているところにあって、
三谷幸喜の凄みを感じるわけですが…それに応えて権力者の複雑の内面の振り幅の広さを小日向文世が見事に演じていて、今回も見ごたえがありました。
NHK 日曜20時
「真田丸」第27話
主演…堺雅人
脚本…三谷幸喜
演出…木村隆文
鶴松の死のあと悲嘆にくれ、関白の座を秀次(新納慎也)に譲った秀吉は、
新たにまた男児が産まれると気が変わり始めます。
そんな秀吉の心変わりを過敏に察する秀次は、気が気ではありません。
しかし、三谷脚本ではだからと言って単純に秀吉は秀次を疎んじるわけではなく、
可愛い甥っ子を心配したり、関白としてしっかりして欲しいと願ったり、
そんな一面ものぞかせつつ、それでも冷酷さや疑い深さなど、負の感情ものぞかせるのです。
小日向文世のそんな権力者と家庭人と公私を揺れ動く秀吉の心理描写が、実に巧みで引き込まれてしまいます。
対する秀次役の新納慎也も、舞台中心であまりドラマに出なかった人ですが、翻弄される秀次の追い込まれ具合を巧みに演じています。
山崎育三郎のようにこの人も今後ドラマの仕事が増えそうですね。
今回の評価は…