おそらく日本テレビ側の意向と福田雄一は戦ってるんだろうな…と私めは勝手に推測しているんですが…。
福田雄一が好きに作ったら「勇者ヨシヒコ…」や「コドモ警察」みたいになるんですね。
それって深夜枠ならいいんですが、なかなかゴールデンタイムでは難しい。
ましてや、局のイメージが明るく健全って感じの日本テレビでは、そもそもあの徹底したくだらなさや、毒っ気、脱力感みたいなもの出しにくいわけです。
…で、そこはせめぎあいで、局の意向には極力逆らわず、それでも随所に福田雄一らしさは出そうとしている…そんな努力が今回は強く感じられました。
日本テレビ 土曜21時
「スーパーサラリーマン左江内氏」 第3話
主演…堤真一
脚本、演出…福田雄一
今回でいえば、たとえば冒頭の屋上から飛び降りようとしている受験生とのやりとりとか、いかにも福田雄一らしかったですよね。
東大には合格したけど、京大は落ちたことを苦にして死のうとしている学生に、刑事(ムロツヨシ)と警官(中村倫也)が自分たちの出身校を言って、(大学名は音を消されたり、モザイクを口元にかけられたり…)それでも生きているけど…みたいなやりとり。
学歴偏重を小馬鹿にしたこの毒っ気!淡々としたやりとりの中で見せるムロや中村の軽妙さ。
死のうとしていた受験生のうろたえぶりは「勇者ヨシヒコ…」シリーズおなじみの冒頭の盗賊とのやりとりみたいで、ちょっと嬉しくなりました。
そこに、見た目は全くやる気のないスーパーサラリーマンが現れて、軽~く、だったら死ねば…っておよそヒーローらしからぬことを言う。
ま~結局、助けはするんですけどね。
ああいうやりとりはムロツヨシの得意とするところで、まさに真骨頂でしたし、堤真一の実はコメディ好きなサービス精神も生きるわけです。
今回は左江内がいきがかり上、アイドルグループのセンターの子(浜辺美波)を、マネージャ^ーの代わりに収録の合間に相手してあげる羽目になるんですが、
アイドルのウラの顔を見せられ、馬鹿にされたり、毒づかれたりするアイドルと、左江内の会話も福田雄一らしいやりとりでした。
さらに左江内の娘(島崎遥香)がアイドルのオーディションを受けるんですが、バリバリ現役アイドルだった島崎が、アイドルのウソくささを揶揄しながらブリっこするというのは、
よくここまでやらせるな…って感じで、シレっと演じる島崎に感心しました。
ぱるる、なかなかやりますね。
…ってなわけで、福田雄一らしさがちょこちょこ見えてきて、楽しみを見出すことが今回できたのは収穫でした。
今回の評価は…