ここまで5話はいわば前半で、主人公一ノ瀬(草なぎ剛)の家族が殺された事件に関与していた人々への復讐が描かれてきましたが、
いよいよ後半は事件のもとになったOL殺しの学生たちの中にいたらしい二科家の長男の晃(安田顕)、それを隠蔽するために一ノ瀬の父親を殺させた二科パパ(市村正親)、そしてその命令を受け実際に一ノ瀬の家族を殺したと思われる六車という男への復讐が描かれていくのでしょう。
フジテレビ 火曜21時
「嘘の戦争」 第6話
主演…草なぎ剛
脚本…後藤法子
演出…三宅喜重
…で、今回はいよいよ二科家に一ノ瀬が乗り込んでいくわけですが、一ノ瀬が千葉陽一で、このところの事件関係者への復讐を行なっている黒幕だとにらんでいる父親・興三と息子・隆(藤木直人)との虚虚実実のやりとりが繰り広げられます。
特に見どころは、一ノ瀬にわざとカマをかけて怒らせる興三と一ノ瀬とのやりとりで、草なぎと市村の丁々発止が見ごたえがありました。
結局、興三は一ノ瀬を娘の恋人として試したんだ…みたいなノリでその場はおさまるのですが、なかなかの心理戦で、ちょっと芝居がかった市村正親の演技が浮かないほど、そこに草なぎ剛が食らいついていき、たっぷり時間を割くだけのシーンになりました。
二人の対決はここだけではおさまらず、一ノ瀬の正体を白状させてやる!と意気込んだ興三との人けのないところでの対決へも発展します。
こちらの二人だけのシーンも、やはり見ごたえがあって、興奮のあまり興三は心臓発作を起こし、それを見捨ててその場を去ろうと一旦はしながら、
また戻って、心臓マッサージをしながら、お前を楽に死なせたくはないと、涙ながらに訴えるのですが、
この一連の草なぎの演技は、このドラマで白眉の演技だったのではと思います。
複雑な一ノ瀬の怒り、悲しみの感情を爆発的に見せて、凄みがありました。
静かな演技とこういった激しい演技のふり幅の大きさが草なぎ剛の演技の特徴で、今回はそれが堪能できる回でした。
さて、次回は晃への復讐になるようですが、六車は三瓶(大杉漣)である可能性がだいぶ高まりましたね。
今回の評価は…