「あなたのことはそれほど」はなぜ成功したのか? | 連ドラについてじっくり語るブログ

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最終回から1週間経ってしまいましたが、TBS火曜22時の「あなたのことはそれほど」の総評を書きます。





このドラマはこれまでの不倫ドラマとは一線を画した「ゲス不倫ドラマ」でした。






上戸彩と斎藤工共演で映画にもなった「昼顔」が典型的なよろめき型不倫ドラマだとすれば、






こちらはW不倫している当人たちが、いともあっけらかんと情事を重ね、罪悪感が無いというゲスっぷりを見せつけました。





これまでの不倫ドラマをイメージしていた視聴者は面くらい、共感できないヒロインに嫌悪感さえ抱き、早々にリタイアした方も多かったことでしょう。





演じるのが優等生的な役の多かった波瑠だけに、余計にインパクトがあったんですね。





私めも波瑠はなんでこんな役を引き受けたのかと気の毒にもなりました。





しかし、何回か見ていくうちに、このドラマはこれまでの不倫ドラマのような見方をしてはいけないドラマなんだと気がついたんです。





視聴者は神の目線というか、俯瞰で不倫している二人と、不倫されてるそれぞれの配偶者を見るドラマなんだと…。





そう気がついたら見やすくなりました。
罪悪感なく不倫している二人が、後半は、不倫に気づかれ、どんな目にあうのか?





むしろ、そちらを楽しめばいいんだと分かると、気づいても別れようとしない涼太(東出昌大)と麗華(仲里依紗)のそれぞれの責め具合がみどころになりました。





後半は視聴率が、サッカーの裏の時以外は右肩上がりになったのも無理からぬことでしょう。





波瑠という女優は不思議な魅力のある人で、時おり見せるリアリストの冷淡さにはどきっとしましたね。





やさぐれて母親の店を美都(波瑠)が手伝う時の、安っぽいワンピース姿が目にやきついてます。




セリフが割と一本調子で変化球の演技はあまりできないと思われた東出昌大が、




意外と演出の上手さもあってか、気持ち悪さをあの手この手で見せてくれたのも収穫でした。






有島(鈴木伸之)を怯えさせる仲里依紗の抑えた凄みも秀逸でしたね。





鈴木伸之はこのドラマで知名度を上げましたが、今後どんな役を演じるか楽しみな人ではあります。







小出恵介の一件やら、実際に起こっているゲスな出来事を見るにつけ、






このドラマの二人のようなあっけらかんとした不倫が現実には溢れているのかも?と思えてきました。







ドラマがやっと現実に追いついたのかもしれません。