胎内で亡くなった赤ちゃんにできること…「コウノドリ」第5話 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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私めがドラマを見ていて常々思うのは人を笑わせるにも、泣かせるにも「センス」というものが必要ってことです。

 

 

 


 

「監獄のお姫さま」を見ていると、クドカンの脚本家としての人を笑わせるセンスを随所に感じます。

 

 


 

 

そして、この「コウノドリ」を見ていると、脚本家、演出家に、そろって人を感動させて泣かせるセンスを感じるんです。

 

 

 


 

私めがこのドラマを好きなのはそこにあるんだということを、今回はまざまざと知ることができました。

 

 


 

 

あざといことをして人を感動させよう、泣かせようというところが一切なく、実に丁寧に細やかに優しい目線で、悲しい出来事を描いている。

そのスタッフの姿勢にいたく感動した回でもありました。

 

 

 

 

TBS 金曜22時

「コウノドリ」 第5話

 

主演…綾野剛

脚本…吉田康弘

演出…土井裕泰

 

 

 

 

普通に五体満足で産まれることがどんなに大変なことか…そのありがたさを改めて考えさせられる回でした。

 

 

 

 

メインのエピソードは切迫早産の可能性があって入院することになった洋菓子店の妻(篠原ゆき子)が、胎内で赤ちゃんが亡くなってしまい、亡くなった胎児を出産する話。

 

 

 

 

その対比のように、下屋(松岡茉優)が胎児の命を守るため帝王切開し、障害が残るかもしれない赤ちゃんが、手術をしないとまた命が危険なのに、両親はそれを望んでいないという話もからんでいました。

 

 

 

 

洋菓子屋夫婦のエピソードは出産間近の喜びから一転、悲しみのどん底に落とされる話なんですが、

 

 

 

 

 

このドラマが素晴らしいのは、その悲劇で視聴者をグイグイ泣かそうということではなく、

 

 

 

 

患者にいかに寄り添い、ベストな形で亡くなっているとはいえ、出産し、見送らせるかに、プロとして最善を尽くそうとする人々の姿を丁寧に描こうとする姿勢にありました。

 

 

 

 

だからこそ、余計に泣けるのです。

特に助産師の小松(吉田羊)の夫婦への向き合い方は、ホント心打たれましたね。

 

 


 

亡くなっている胎児を産むためにいきむ母親に「頑張れって言って何がいけないの!」と言って、常と変らぬお産をするところ。

 

 

 

 

そして、産まれた赤ちゃんのためにしてあげられることを丁寧に列挙し、そのためのサポートは何でもしますと夫婦に言ってあげるところ。

 

 

 

 

小松のプロフェッショナルぶりがとても心に響きました。

この役は吉田羊にとってホントあたり役だと思います。

 

 

 

 

小松の勧めに従って、夫婦が赤ちゃんを入浴させるシーンは涙、涙でした。

 

 

 

 

赤ちゃんを喪う母親役の篠原ゆき子の演技も素晴らしかったですね。

同部屋だった妊婦(矢沢心)に、自分の子は死産だったことは告げず、

元気な赤ちゃんを産んでね!と言い残すシーンは、とても切なかったですね。

 

 


 

感情表現の難しい役をしっかりと丁寧に演じていて、今後の活躍に注目したい女優さんです。





 

あと、知らぬこととはいえ、酷いことを聞いたし、言わせてしまったと後悔し、矢沢心が泣くシーンもなんとも言えませんでした。

( 矢沢心のナチュラルな演技も良かったですね)

 

 

 

 

しかし、あとでさりげなく第3子を産んだその母親のもとへ、祝福のメッセージとともにプリンが届くというシーンがあって、そういう丁寧な救いがあるところも、このドラマの良いところです。

 

 

 

 

 

下屋の方も、親が手術に応じてくれて良い方向に向かい、ホッとする終わり方でした。

 

 

 

 

バッドエンドにはならないところが、このドラマの良いところで、今回は今シリーズで最も良い回でした。

他の回と差別化する意味でも今回の評価は…

 にします。