批判覚悟でチャレンジングな展開を描いた野木亜紀子の脚本に、脱帽でした。
TBS 金曜22時
「アンナチュラル」第5話
主演…石原さとみ
脚本…野木亜紀子
演出…塚原あゆ子
いや~、まさか鈴木(泉澤祐希)が自分の恋人を殺した犯人を刺すという展開になるとは思ってもいませんでした。
悲しみにうちひしがれ、殺した犯人への怒りを内にためこんでの凶行。泉澤祐希が素晴らしい演技をしましたね。
しかし、中堂(井浦新)の取った行動は、倫理という面では逸脱してますよね。
そういう行動を敢えて中堂に取らせたところに
脚本の野木亜紀子の、ひいてはこのスタッフの大胆さがあります。
中堂自身も恋人を殺された過去があるからこその、理屈や倫理をこえた感情からの鈴木への過剰な加担。
人とは複雑なものだ、割りきれないものだという人の心の闇を描く姿勢に、私めは賞賛を送りたいと思います。
空からそぼ降る雪を見上げる中堂の虚無の表情。井浦新ならではの静謐な狂気にハッとさせられました。
そのあとのミコト(石原さとみ)と中堂の静かなバトル。
中堂を思えばこそのミコトの怒りにも感銘を受けました。
このドラマは連続性と各話のエピソードの融合が実に絶妙です。
今回の評価は…あえて