3人の女性が母性にめざめるというのが印象的に描かれました。
それぞれのエピソードがきめ細かく丁寧に描かれており、心にじんわりと伝わり、第2話も見ごたえがありました。
NHK 金曜22時
「透明なゆりかご」第2話
主演…清原果耶
脚本…安達奈穂子
演出…柴田岳志
まずは、病院の前に捨てられていた赤ちゃんの世話をすることで、母性がめばえてしまうアオイ(清原果耶)。
赤ちゃんに見つめられ、この子を自分が守り育てたいという気持ちになってしまうシーンが印象的でした。
名前も嬉々として考え、「しずか」とつけてしまう…そんなアオイに、踏み込みすぎだと看護師の望月(水川あさみ)は注意します。
説明過多にならず、セリフを少なめにしてアオイの感性を繊細に描く脚本も良いですが、
そんな脚本を受けて、透明感のある清らかな映像で描き、清原果耶の細かな表情の変化による表現を引き出している柴田岳志の演出も見事です。
その捨てられた赤ちゃんを中絶せず自宅で産み落とした女子高生(蒔田彩珠)が、病院まで自転車で赤ちゃんを運ぶイメージと、
アオイが女子高生の家に怒りをぶつけに、同じく自転車で向かうのが交錯していくシーンは、
赤ちゃんに邪険な物言いをしていた女子高生にも、実は母性があったのでは…という思いに至り、アオイは思いとどまる流れを、実に巧みに見せた名シーンでした。
女子高生を演じた蒔田彩珠は「重版出来」に漫画家の娘役で出ていた子ですね。
今回も強い印象を残しました。将来が楽しみです。
もう1人は幼い頃からの糖尿病のため、妊娠しても出産を諦めようとしていた妊婦さん(平岩紙)。
彼女の中にも母性がめばえて、産むと決めるに至るのも、じんわりと胸を打ちました。
同じ医療ドラマでも、視聴者に粗っぽく感動を与えようとする「グッド・ドクター」と対照的に、このドラマは心にしみるようにじんわりと深く感動を与えてくれます。
あえて厳しく妊婦さんを叱る院長(瀬戸康史)の言葉も印象的でした。
今回登場した歳上妻の夫婦(葉山奨之、マイコ)はこの先も出てくるのでしょうが、悲しいことにならなければいいのにと今から気がかりです。
このドラマ、脚本も演出もそうですが、やたらと感動をあおろうとしない音楽もとても良いです。
今回の評価は…